前代未聞! 広陵途中辞退の根底に「甲子園至上主義」…それを助長するNHK、朝日、毎日の罪
まさに前代未聞である。
7日の初戦で旭川志峯(北北海道)を破りながら、10日に甲子園出場辞退が決まった広陵。14日の2回戦で対戦予定だった津田学園(三重)は不戦勝が決定した。大会出場後の途中辞退は、コロナ禍での新型コロナ感染の3例を除けば史上初の事態となった。
■拭えない隠蔽体質
今年1月、広陵の野球部寮「清風寮」で1年生部員が禁止されていたカップラーメンを食べていたことに先輩部員が激怒。集団で暴行を加えた。学校側はこれを把握し、高野連に報告。高野連は3月に審議委員会を開いて広陵に「厳重注意」をするとともに、暴行を働いた部員4人には1カ月の対外試合禁止処分が下された。
しかし、この1年生部員の保護者は、学校側の報告書と実態が異なるとして、大会直前にSNSで暴露。この保護者は本紙の取材に「1月27日に学校側から受け取った事件の報告書では、関わった加害部員は4人ではなく9人と書いてあった。実際は11人」としている。学校側の調査に問題があった可能性があり、隠蔽疑惑も拭えない。SNSによれば、中井監督から口止め工作もあったとされていて、被害部員は転校を余儀なくされた。いずれにせよ、学校側が誠意のある対応をしたとは言い難いようなのだ。
さらに6日、この1年生部員とは別の元野球部員の父がSNSで実名を出し、2023年に当時野球部員だった我が子が部内で暴行を受けたと告白。警察に被害届を提出し、現在も捜査中であることを明らかにした。
当初は静観していた広陵や主催者サイドも、学校への爆破予告、一般生徒への付きまとい、度重なるSNS炎上と誹謗中傷のオンパレードに、出場辞退を決断。10日、広陵の堀校長は「生徒や教職員を守るため」と辞退の理由を語ったものの、学校側が初期対応を誤ったことも大きな要因のひとつだろう。
広陵がカップラーメンを食べただけの1年生部員に代わる代わる暴力を働いたとされる事案を矮小化しようとした印象は拭えないが、その根底にあるのは「甲子園至上主義」だ。
日本中に「野球学校」があふれているのは、甲子園に出場することが学校経営において大きなメリットがあるからだ。
生徒の親御さんたちは甲子園出場が進学や就職で有利に作用するから、中学どころか小学生の段階から我が子を名のある少年野球チームに入れて鍛える。
「野球学校」の生徒も指導者も甲子園に出ることがすべて。高校生のクラブ活動がある意味、人生の分水嶺になりつつあるのだから、不祥事を隠蔽しようとする学校が後を絶たないわけだ。