東洋大姫路(兵庫)岡田監督「大学からは『3年で』と言われたけど、ナンボ何でも無理ですと」

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 8日に済美(愛媛)と対戦する東洋大姫路(兵庫)の岡田監督は、同校のOBで、履正社監督時代の2019年夏に全国制覇を果たした。22年から東洋大姫路を率い、就任4年目の今年、春、夏連続で甲子園に導いた岡田龍生監督(64)に、ここまでの苦労話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 ──履正社から東洋大姫路に移った時の率直な印象は?

「一つ挙げると、個々の生徒たちの野球に対する意識は全然違いました。履正社の時は甲子園が最終目標ではなく、その先、大学、社会人、プロでも野球をやるという子たちが集まっていた。そういう子たちに見合う技術的な指導も必要だった。でも、こっちでは僕が就任した時の3年生、2年生、1年生の計100人のうち、卒業後も野球を続けた子は20人程度しかいなかった。履正社ではほぼ100%でしたから」

 ──当然、個々の選手のレベルが違うわけですから、生徒集めのところから変えていく必要がありますね。

「指導で言うと、昔は殴ったり蹴ったりの完全スパルタでやってましたけど、もうそれでは通用しない。自分自身で目標設定をして、自主的に能力を磨いていかないと厳しい時代です。だから、どんどん練習をやらせてほしいという生徒はウチには合わないかもしれない。自分からあれもしたい、これもしたい、もっとしたい、とできる子は、目標が高いということ。目標設定ができなければプロセスがぼやけてしまう。入部希望の中学生との面談の際には、『将来はどういう希望を持っているの?』というような話は聞きます」

 ──そのための練習環境も整える必要があった。

「履正社は寮がなく、通いが基本でしたので、食事面等で親御さんも巻き込みながらやっていた。今は寮があるんで、まずは管理栄養士さんを入れてもらい、室内練習場もつくってもらいました。選手には体力面、技術面に関し、数字でフィードバックしている。自主性を持って取り組む一助になるだけでなく、客観的な評価の指標にもなる。勉強の偏差値と同じです」

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