もっと知ろうよ船橋ケイバ「04年平和賞シーチャリオットはダーレー・ジャパンの日本における最初の重賞勝ち」

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 今開催の船橋ケイバは通常通り、25日(月)から29日(金)までの5日間開催。メインは27日に組まれている2歳重賞、平和賞(SⅢ)だ。

 平和賞は1955年に始まった伝統あるレースで、今年が67回目。84年からはずっとこの船橋ダート千六百メートルで施行されている。

 今回取り上げるのは区切りのいい第50回、2004年の勝ち馬シーチャリオット。実はこれ、日本の競馬にとっては画期的な勝利だったのだ。

 というのも、シーチャリオットの馬主が「ダーレー・ジャパン・レーシング」だから。

 ダーレー・ジャパンはドバイの首長であるシェイク・モハメド殿下が代表を務める「ダーレー・グループ」の日本における現地法人のひとつ。

 言うまでもなく、モハメド殿下は世界で有数のオーナー・ブリーダーであり、競走馬の生産や調教などを行うチーム“ゴドルフィン”も彼によってつくられたものだ。

 95年に安田記念を制したハートレイクなど、モハメド殿下は日本競馬への関心も強く、03年に日本の現地法人として設立したのがダーレー・ジャパンである。

 近年はJRAでファインニードル、タワーオブロンドンなどGⅠを勝っている“ゴドルフィン”。だが、馬主としてのダーレー・ジャパンは当初、地方競馬での活躍が目立っていた。

 代表馬は何と言ってもフリオーソだが、最初の活躍馬がこのシーチャリオット。04年の平和賞は“ダーレー”の日本での重賞勝ち第1号である。

 米国産のシーキングザゴールド産駒で、2歳時から活躍。競走成績後半は着順掲示板にも載れなくなり、いかにも外国産の早熟といった印象が強いものの、これは3歳時に骨折した影響があったのかもしれない。

 そこまでの成績は完璧に近いものだった。

 新馬戦のあと、2戦目がこの平和賞勝ちで、3戦目の全日本2歳優駿こそプライドキムの②着に敗れたが、3歳時は雲取賞、京浜盃、羽田盃、東京ダービーと4連勝。JRAの同期にカネヒキリがおり、ジャパンダートダービーでの対決が期待されたが、前記の通り、骨折で実現せず。結局、7歳夏まで走ったシーチャリオットだが、東京ダービーが最後の勝利となった。

 とはいえ、羽田盃を2馬身差、東京ダービーを4馬身差と2冠達成は圧倒的な強さ。また、平和賞勝ちの1分40秒4は今でもレースレコードとして残っている。

 ここ2年は1分42秒8での決着。いつしか、シーチャリオットの記録を破る馬の出現を期待したい。

■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト

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