輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

公開日: 更新日:

「小泉コメ劇場」は、ちっとも生産現場の実情を顧みようとしない。

 農水省は27日、無関税で輸入できるミニマムアクセス(最低輸入量)米の初回入札を例年より3カ月ほど前倒しで実施。主に主食用として全3万トンが落札された。市場に例年よりも早期に輸入米を放出することでコメ不足感を解消し、高騰する米価の引き下げにつなげる狙いがある。

 小泉進次郎農相は「消費者のコメ離れを防ぐことが重要だ」と胸を張ったが、コメの輸入量はただでさえ、急拡大中だ。財務省が27日に公表した貿易統計によると、5月の民間貿易による外国産米の輸入量は1万607トンと前月比5割アップ。1~5月の累計は前年同期比の約60倍に達している。

 こうした進次郎農相の措置に現場の生産者は戦々恐々だ。落札を前倒しした分、輸入米は9月下旬に事業者に引き渡される。ちょうど新米が出回る季節と重なり、新米価格が下落しかねないとの懸念が広がっている。生産者にすれば、まさに最悪の時期に、輸入米の流通がスタートするのだ。

■増産のやる気も奪う

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  2. 2

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  3. 3

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  4. 4

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  5. 5

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  1. 6

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 7

    近藤真彦「ヤンチャでいたい」にギョーカイ震撼!田原俊彦をも凌駕する“リアル・ジャイアン”ハラスメント累々

  3. 8

    「モーニングショー」コメンテーター山口真由氏が5週連続欠席…気になる人間関係と体調を心配する声

  4. 9

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  5. 10

    参政党の躍進は東京、神奈川だけにあらず? 地方では外国人規制に“地元ネタ”織り込み支持拡大狙い