今オフ戦力外 ドラフト1位が見た「天国と地獄」
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古川秀一(09年オリックス1位・投手・28歳)
「あの頃は投げるのが本当に楽しかった」 いま振り返っても、一番輝いていたのは高校3年の夏だ。 長崎・清峰高のエースとして母校を初の甲子園に導き、春の選抜の覇者、愛工大名電(愛知)や現広…
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河内貴哉(1999年・広島・投手・33歳)
「あれっ、腕がなくなったんじゃないかって。肩がついてるのかついてないのか分からない。全く感覚がなくて。絶望感しかありませんでした」 河内は手術後をこう振り返る。左肩を痛め、08年5月に左肩関節…
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服部泰卓(07年ロッテ大学・社会人1巡目、投手、33歳)
「プロで8年やっていましたが、あの年だけは本当に楽しかった。あの1年の思い出があるから、他の7年間のファーム生活には悔いはありません」 「あの1年」というのは13年のことだ。07年の大学・社会人…
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山内壮馬(07年中日1巡目・投手・30歳)
10月4日、中日から戦力外通告を受けるとプロに導いてくれた恩師に一本の電話をかけた。 「戦力外になりました。これまでお世話になりました」 ■「社会人はどうだ?」 相手は、入団時に…
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<第5回>篠田純平(2007年広島1位・投手・30歳)
10月26日に球団から戦力外通告を受けると、携帯電話を手に取った。かけた相手は日大時代の恩師、鈴木博識元監督(現鹿島学園高野球部監督)。きっぱりと伝えた。 「引退します。自分の中ではやり切りま…
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<第4回>赤川克紀(2008年ヤクルト1位・投手・25歳)
08年当時、宮崎県に「サウスポー三羽烏」と呼ばれる3人の高校生がいた。日南学園高校の中崎雄太(08年西武1位)、有馬翔(同ソフトバンク4位)、そして宮崎商業高校の赤川克紀だ。 赤川を担当した…
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<第3回>野間口貴彦(2004年巨人自由枠・投手・32歳)
「今年、学校に引退の挨拶に来てくれました。私はたまたま入院中で会えませんでしたが、律義な一面もあるんです」 関西創価高の深沢英俊監督(48)がこう続けた。 「(01年)選抜でベスト4に入…
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<第2回>増渕竜義(2006年ヤクルト・投手・27歳)
現役引退を決めた直後の11月、増渕は友人と神宮球場に向かった。 これまで一度も見たことがなかった弟・雅也の勇姿を見るためだった。同じ鷲宮高から東洋大に進学。大学4年になり、2番手投手としてチ…
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<第1回>北方悠誠(2011年DeNA・投手・21歳)
ドラフトでプロ入りする選手は毎年、100人に満たない。中でも1位指名されるのは、たったの12人だ。狭き門をくぐり抜けた野球エリートたちがこのオフ、10人近く戦力外通告を受けた。天国と地獄を見た男たち…