注射は必要なし 経鼻インフルエンザ生ワクチンの基礎知識

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「インフルエンザウイルスは気道の粘膜に感染して増殖、全身に広がる病気です。通常のインフルエンザワクチンは不活化ワクチンと呼ばれるもので、バラバラにしたインフルエンザウイルスの断片を血液中に注射することで、血液中のインフルエンザに対するIgG抗体(免疫物質)をつくります。それでインフルエンザが全身に広がるのを防ぎます。しかし、IgG抗体は気道粘膜には存在しないため、気道への感染そのものを防ぐことはできません。つまり、感染を防ぐというより、重症化を抑えるワクチンなのです。ところが、生ワクチンのフルミストは、弱毒化されているとはいえ生きた病原微生物なので、鼻の粘膜で弱毒化されたウイルスが繁殖します。結果、気道粘膜上にインフルエンザワクチンに対するIgA抗体が、血液中にはIgG抗体がつくられます。つまり、感染そのものを抑えることができるのです」

 通常のインフルエンザワクチンとフルミストの違いはそれだけじゃない。ウイルスが気道粘膜で増殖することにより、細胞性免疫も刺激される。

「細胞性免疫とは特定の病原体を攻撃する免疫細胞を作って攻撃する仕組みのことです。具体的には生ワクチンにより体内で特定の免疫細胞が増え、生ワクチンがターゲットにしている4種類のインフルエンザウイルスを攻撃するのです。不活化ワクチンは血液中に抗体を作るだけで、そうした機能はありません」

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