クスリ社会を正しく暮らす
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飲んでいる薬の影響で熱中症のリスクが高まるケースがある
全国各地で最高気温が35度以上の猛暑日となる日も出てきています。夏になると、毎年必ず耳にする「熱中症」。でも実際、どんな症状で、どう対応すればいいのか……あいまいな方も少なくないのではないでしょうか…
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骨粗しょう症の治療薬では顎の骨が壊死する副作用の予防策が大切
骨粗しょう症やがんの骨転移に対して使われる「ビスホスホネート」や「デノスマブ」は、骨の代謝を抑えることで骨折を防ぎ、患者さんの生活の質を守る重要な薬です。しかし、これらの薬においてごくまれに「薬剤関…
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身近な薬が原因で起こる命に関わる副作用に要注意
風邪薬や抗生物質、痛み止めなど、私たちが日常的に使う薬の中にも、まれに命に関わる重い副作用を起こすものがあります。 そのひとつが「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」です。聞き慣れな…
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脳梗塞の治療は時間との闘い…t-PA療法は発症4.5時間以内のみ
脳梗塞は、血管が詰まり、血流が途絶えて脳の組織がダメージを受ける病気です。血液が届かなくなることで酸素や栄養が供給されず、脳細胞が壊死してしまいます。これにより麻痺などが生じ、発症後はリハビリを行う…
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薬学部志望の学生が激減… 薬剤師の魅力を高める対策が必要
大学薬学部の定員がどんどん減っています。今年1月、医療創生大学は2026年度から6年制薬学部の新入生募集を停止すると発表しました。姫路独協大学も25年度から薬学部の募集を停止しています。 募…
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水で濾過された煙を吸う「シーシャ」は有害物質を多く吸ってしまうリスクあり
みなさんは「シーシャ」をご存じでしょうか? 味のついたたばこの煙を水にくぐらせて吸う嗜好品で、いわゆる「水たばこ」といわれるものです。従来のたばこと比較して1回の燃焼時間は1時間程度と長く、長時間喫…
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薬物乱用防止教室で話していること…物質ではなく「人」に依存する
多くの学校薬剤師は、担当校において「薬物乱用防止教室」を実施しています。私も小学生や中学生を対象に、毎年薬物乱用防止教室を行っています。薬物といっても、大麻や覚醒剤といった禁止薬物の話は少なめで、こ…
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問題視されているクスリの「オーバードーズ」には専門の相談窓口がある
「薬物乱用」というと、どのような薬物が思い浮かびますでしょうか? 大麻や覚醒剤、MDMAなどさまざまなものが挙げられると思います。いずれの薬物も繰り返し摂取したくなる「依存性」を持っているという共通点…
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薬を飲み忘れた時の対応は「半減期」によって変わってくる
生体内に入った薬などの物質が、代謝や排泄などによって半分に減るまでに要する時間のことを「生物学的半減期」といいます。たとえばこの半減期が1時間の薬の場合、1時間たてば体内の薬物量は半分となり、2時間…
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受診中で「トクホ」や「機能性表示食品」を活用するなら医師や薬剤師に相談を
腸内の細菌叢を改善し、人に有益な作用をもたらす生きた微生物(有用菌)のことを「プロバイオティクス」といいます。 最近は、ヨーグルトなどでも整腸作用だけでなく、便通改善や免疫機能の維持、内臓脂…
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クスリの使い方から見える“新型コロナ”のいま
2019年11月に最初の感染者が確認された新型コロナウイルス感染症は、その後、世界中で多くの死亡者を出しましたが、5年以上経過した現在、予防法や治療法がおおむね確立されてきたように思います。 …
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「うっかりドーピング」を防ぐために薬剤師を活用してほしい
前回取り上げた「ドーピング」について続けてお話しします。 ドーピングというと競技の成績向上のため意図的に禁止物質を摂取する行為を思い浮かべますが、じつは意図しないドーピング、「うっかりドーピ…
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糖尿病や骨粗しょう症の治療の薬もドーピングの対象になる
「ドーピング(doping)」は、スポーツにおいて運動能力を向上させるために禁止されている薬物や方法を使用する行為を指します。ドーピングの語源は諸説ありますが、最も一般的に知られている説は、南アフリカ…
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下水を調査してウイルスの感染状況を把握する取り組みが進んでいる
新型コロナウイルスの「下水サーベイランス」についてお話しします。 下水の中にはヒト由来の新型コロナウイルスが存在します。ですから、下水サーベイランス(下水中のウイルスを検査・監視すること)により、地…
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最近増えてきた「電子版お薬手帳」のメリットと課題
「電子版お薬手帳」という名称を聞いたことがあるでしょうか。これまで「お薬手帳」というと紙製で、そこに処方された薬の情報が記載されたシールを貼るなどして記録していたと思いますが、最近はお薬手帳をスマート…
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本格的な花粉症シーズンが到来…早めの対策が大切
各地で気温が上がる日が続き、本格的にスギ花粉の飛散が多くなっています。今年のスギ花粉飛散開始は早く、東京では1月から飛散が確認され、九州が2月上旬ごろ、中国四国、近畿東海、関東、北陸は2月中旬ごろで…
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いまも続く薬の供給不足…安すぎる薬価では改善は難しい
医薬品は大きく分けて、病院や診療所を受診して医師から処方してもらう「医療用医薬品」と、処方を必要とせずドラッグストアなどで購入することができる「OTC医薬品」の2つに大別されます。現在、医療用医薬品…
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セルフメディケーション税制はスイッチOTC以外の市販薬も対象になる
前回、医療用医薬品から市販薬(OTC医薬品)に転用(スイッチ)したもののことを、「スイッチOTC医薬品」と呼んでいるとお話ししました。スイッチOTC医薬品は、風邪薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむ…
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「スイッチOTC医薬品」は薬剤師による服薬サポートが大切
昨年12月20日、厚生労働省は、薬事審議会「要指導・一般用医薬品部会」を開き、胃酸の分泌を抑制する成分であるPPI(プロトンポンプ阻害薬)3成分の要指導医薬品への指定を承認した──といったニュースが…
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「針刺し事故」を起こさないために患者側も注意が必要
先日、糖尿病の治療でインスリンの自己注射をされている患者さんに「注射針の廃棄」について質問されました。インスリンの注射針は多くの場合、調剤された病院や保険薬局で回収しています。ですので、廃棄の際には…