クスリ社会を正しく暮らす
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便に薬の“抜け殻”が出る「ゴーストピル」は珍しくない
「飲んだ薬がそのまま便に出てきたんですが、効いてないんじゃないですか?」 患者さんからこんな相談をされることがあります。便の中にカプセルや錠剤の形をした“抜け殻”が残る--いわゆる「ゴーストピ…
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2026年秋に高齢者向けの新たなインフルエンザワクチンが登場
インフルエンザワクチンは、流行前に免疫を確保するため10~11月ごろに接種するのが理想的とされています。今回はインフルエンザワクチンの話題です。 高用量インフルエンザHAワクチン「エフルエル…
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「急性呼吸器感染症」の5類化で医療の現場はどう変わるのか
「急性呼吸器感染症(ARI)」が2025年4月7日から感染症法上の5類感染症に位置付けられました。ARIとは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)または下気道炎(気管支炎、細気管支…
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マクロライド系抗菌薬に耐性を持つ「百日咳菌」が増えている
前回に引き続き、「百日咳」についてお話しします。百日咳は、ボルデテラ・パータシスという細菌によって引き起こされる呼吸器感染症です。潜伏期間は7~10日、発症するとカタル期→痙咳期→回復期と経過し、約…
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「百日咳」には抗菌薬が有効だが…初期でなければ効果は限定的
「百日咳」と聞くと、昔の子供の病気というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし実際には、現在も周期的に流行が繰り返されていて、子供だけでなく大人にも広がる現在進行形の感染症なのです。 …
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「薬は社会のためにある」という考え方を体現した救済制度がある
私たち薬剤師は日々、「薬は使い方次第で味方にも敵にもなる」とお伝えしています。けれど、どんなに正しく薬を使っても、ごくまれに“副作用”という落とし穴に足を取られることがあります。そんなとき、医療費な…
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指定薬物が続々と追加される背景にある“いたちごっこ”
「ゾンビたばこ」について、前回お話ししました。「ゾンビたばこ」は電子たばこのリキッドに、医療用の鎮静剤「エトミデート」を混ぜて吸引するという、若者の間で広がっている危険ドラッグの俗称です。 今…
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若者に広がる「ゾンビたばこ」は命にかかわる危険ドラッグだ
最近、ニュースで「ゾンビたばこ」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。これは電子たばこのリキッドに、医療用の鎮静剤「エトミデート」を混ぜて吸引するという、若者の間で広がっている危険ドラッ…
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生成AIには「その患者特有の情報」は見えていない
「薬のこと、ChatGPTで調べました」 最近、患者さんからもそんな声を聞くことが増えてきました。たしかに便利です。副作用、飲み方、飲み合わせ……たいていのことは数秒で答えてくれます。でも、そ…
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アプリが薬になる…DTx(デジタル治療)は新しい医療のかたち
最近、医療業界でじわじわと注目されている言葉があります。それが「DTx(Digital Therapeutics)」、日本語では「デジタル治療」となります。「治療用アプリ」や「デジタル薬」などと呼ば…
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ヨウ素剤は「必要なときに正しく飲めるように備えておく」ことが重要
8月6日は、80回目の「原爆の日」です。広島に在住する私にとっても特別な1日となります。また、私事ですが父の80回目の誕生日でもあります。 さて、放射能や放射線のニュースでは必ずといっていい…
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今だからこそ「薬剤師がワクチンを打つこと」を冷静に議論すべき
国民民主党の田村麻美参議院議員は6月17日の参院厚生労働委員会で、感染症危機発生時にワクチン接種の担い手として薬剤師を加えることを検討するよう求めました。それに対し、政府は「有事に必要な打ち手を確保…
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「薬を減らす」が目的ではなく「必要な薬を続ける=適正処方」がゴール
高齢化が進む日本。病気が慢性化しやすく、気づけば薬の数がどんどん増えている……そんな患者さんは決して少なくありません。いわゆる「ポリファーマシー(多剤併用)」の問題です。 たとえば、血圧の薬…
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“やせ薬”はサポート役…運動や食事の見直しなしでは健康的にやせることはできない
最近、“やせ薬”に関する話題をよく耳にします。たしかにここ1~2年、肥満症に対する医薬品が新たに発売され注目されています。 まず有名なのが「オルリスタット(商品名:アライ)」です。これは食事…
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熱中症対策に有効な「経口補水液」は日常的に飲んではいけない理由
前回、熱中症に対する予防法や対策を取り上げた中で、少しだけ触れた「経口補水液(ORS)」について詳しくお話しします。所ジョージさんが出演している「OS-1」のCMがよく流れているので、ご存じの方も多…
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飲んでいる薬の影響で熱中症のリスクが高まるケースがある
全国各地で最高気温が35度以上の猛暑日となる日も出てきています。夏になると、毎年必ず耳にする「熱中症」。でも実際、どんな症状で、どう対応すればいいのか……あいまいな方も少なくないのではないでしょうか…
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骨粗しょう症の治療薬では顎の骨が壊死する副作用の予防策が大切
骨粗しょう症やがんの骨転移に対して使われる「ビスホスホネート」や「デノスマブ」は、骨の代謝を抑えることで骨折を防ぎ、患者さんの生活の質を守る重要な薬です。しかし、これらの薬においてごくまれに「薬剤関…
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身近な薬が原因で起こる命に関わる副作用に要注意
風邪薬や抗生物質、痛み止めなど、私たちが日常的に使う薬の中にも、まれに命に関わる重い副作用を起こすものがあります。 そのひとつが「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」です。聞き慣れな…
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脳梗塞の治療は時間との闘い…t-PA療法は発症4.5時間以内のみ
脳梗塞は、血管が詰まり、血流が途絶えて脳の組織がダメージを受ける病気です。血液が届かなくなることで酸素や栄養が供給されず、脳細胞が壊死してしまいます。これにより麻痺などが生じ、発症後はリハビリを行う…
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薬学部志望の学生が激減… 薬剤師の魅力を高める対策が必要
大学薬学部の定員がどんどん減っています。今年1月、医療創生大学は2026年度から6年制薬学部の新入生募集を停止すると発表しました。姫路独協大学も25年度から薬学部の募集を停止しています。 募…
