クスリ社会を正しく暮らす
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アプリが薬になる…DTx(デジタル治療)は新しい医療のかたち
最近、医療業界でじわじわと注目されている言葉があります。それが「DTx(Digital Therapeutics)」、日本語では「デジタル治療」となります。「治療用アプリ」や「デジタル薬」などと呼ば…
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ヨウ素剤は「必要なときに正しく飲めるように備えておく」ことが重要
8月6日は、80回目の「原爆の日」です。広島に在住する私にとっても特別な1日となります。また、私事ですが父の80回目の誕生日でもあります。 さて、放射能や放射線のニュースでは必ずといっていい…
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今だからこそ「薬剤師がワクチンを打つこと」を冷静に議論すべき
国民民主党の田村麻美参議院議員は6月17日の参院厚生労働委員会で、感染症危機発生時にワクチン接種の担い手として薬剤師を加えることを検討するよう求めました。それに対し、政府は「有事に必要な打ち手を確保…
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「薬を減らす」が目的ではなく「必要な薬を続ける=適正処方」がゴール
高齢化が進む日本。病気が慢性化しやすく、気づけば薬の数がどんどん増えている……そんな患者さんは決して少なくありません。いわゆる「ポリファーマシー(多剤併用)」の問題です。 たとえば、血圧の薬…
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“やせ薬”はサポート役…運動や食事の見直しなしでは健康的にやせることはできない
最近、“やせ薬”に関する話題をよく耳にします。たしかにここ1~2年、肥満症に対する医薬品が新たに発売され注目されています。 まず有名なのが「オルリスタット(商品名:アライ)」です。これは食事…
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熱中症対策に有効な「経口補水液」は日常的に飲んではいけない理由
前回、熱中症に対する予防法や対策を取り上げた中で、少しだけ触れた「経口補水液(ORS)」について詳しくお話しします。所ジョージさんが出演している「OS-1」のCMがよく流れているので、ご存じの方も多…
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飲んでいる薬の影響で熱中症のリスクが高まるケースがある
全国各地で最高気温が35度以上の猛暑日となる日も出てきています。夏になると、毎年必ず耳にする「熱中症」。でも実際、どんな症状で、どう対応すればいいのか……あいまいな方も少なくないのではないでしょうか…
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骨粗しょう症の治療薬では顎の骨が壊死する副作用の予防策が大切
骨粗しょう症やがんの骨転移に対して使われる「ビスホスホネート」や「デノスマブ」は、骨の代謝を抑えることで骨折を防ぎ、患者さんの生活の質を守る重要な薬です。しかし、これらの薬においてごくまれに「薬剤関…
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身近な薬が原因で起こる命に関わる副作用に要注意
風邪薬や抗生物質、痛み止めなど、私たちが日常的に使う薬の中にも、まれに命に関わる重い副作用を起こすものがあります。 そのひとつが「スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」です。聞き慣れな…
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脳梗塞の治療は時間との闘い…t-PA療法は発症4.5時間以内のみ
脳梗塞は、血管が詰まり、血流が途絶えて脳の組織がダメージを受ける病気です。血液が届かなくなることで酸素や栄養が供給されず、脳細胞が壊死してしまいます。これにより麻痺などが生じ、発症後はリハビリを行う…
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薬学部志望の学生が激減… 薬剤師の魅力を高める対策が必要
大学薬学部の定員がどんどん減っています。今年1月、医療創生大学は2026年度から6年制薬学部の新入生募集を停止すると発表しました。姫路独協大学も25年度から薬学部の募集を停止しています。 募…
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水で濾過された煙を吸う「シーシャ」は有害物質を多く吸ってしまうリスクあり
みなさんは「シーシャ」をご存じでしょうか? 味のついたたばこの煙を水にくぐらせて吸う嗜好品で、いわゆる「水たばこ」といわれるものです。従来のたばこと比較して1回の燃焼時間は1時間程度と長く、長時間喫…
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薬物乱用防止教室で話していること…物質ではなく「人」に依存する
多くの学校薬剤師は、担当校において「薬物乱用防止教室」を実施しています。私も小学生や中学生を対象に、毎年薬物乱用防止教室を行っています。薬物といっても、大麻や覚醒剤といった禁止薬物の話は少なめで、こ…
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問題視されているクスリの「オーバードーズ」には専門の相談窓口がある
「薬物乱用」というと、どのような薬物が思い浮かびますでしょうか? 大麻や覚醒剤、MDMAなどさまざまなものが挙げられると思います。いずれの薬物も繰り返し摂取したくなる「依存性」を持っているという共通点…
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薬を飲み忘れた時の対応は「半減期」によって変わってくる
生体内に入った薬などの物質が、代謝や排泄などによって半分に減るまでに要する時間のことを「生物学的半減期」といいます。たとえばこの半減期が1時間の薬の場合、1時間たてば体内の薬物量は半分となり、2時間…
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受診中で「トクホ」や「機能性表示食品」を活用するなら医師や薬剤師に相談を
腸内の細菌叢を改善し、人に有益な作用をもたらす生きた微生物(有用菌)のことを「プロバイオティクス」といいます。 最近は、ヨーグルトなどでも整腸作用だけでなく、便通改善や免疫機能の維持、内臓脂…
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クスリの使い方から見える“新型コロナ”のいま
2019年11月に最初の感染者が確認された新型コロナウイルス感染症は、その後、世界中で多くの死亡者を出しましたが、5年以上経過した現在、予防法や治療法がおおむね確立されてきたように思います。 …
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「うっかりドーピング」を防ぐために薬剤師を活用してほしい
前回取り上げた「ドーピング」について続けてお話しします。 ドーピングというと競技の成績向上のため意図的に禁止物質を摂取する行為を思い浮かべますが、じつは意図しないドーピング、「うっかりドーピ…
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糖尿病や骨粗しょう症の治療の薬もドーピングの対象になる
「ドーピング(doping)」は、スポーツにおいて運動能力を向上させるために禁止されている薬物や方法を使用する行為を指します。ドーピングの語源は諸説ありますが、最も一般的に知られている説は、南アフリカ…
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下水を調査してウイルスの感染状況を把握する取り組みが進んでいる
新型コロナウイルスの「下水サーベイランス」についてお話しします。 下水の中にはヒト由来の新型コロナウイルスが存在します。ですから、下水サーベイランス(下水中のウイルスを検査・監視すること)により、地…