上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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心臓の手術後はなぜ「急性腎障害」が発症しやすくなるのか
心臓手術では、さまざまな合併症に注意しなければなりません。そのうち、比較的頻度の高い術後の重篤な合併症が「急性腎障害」です。かつては急性腎不全と呼ばれていた疾患です。 数時間~数日の間に急激…
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「心不全」は感覚器の障害につながる…就労継続には理解が必要
心臓病を発症した場合、7割近い人が「働き続けるのが難しい」と感じている調査結果があることから、治療と仕事の両立を支援する環境整備が大切だと前回お話ししました。超高齢社会の日本では「心不全パンデミック…
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心臓病を発症しても仕事を続けたい…どのような整備が必要か
心臓病を発症しても、適切な治療を受けて日常生活に戻り、心機能に大きな問題がないことから復職している患者さんはたくさんいらっしゃいます。 しかし一方で、心臓病があることで「働き続けるのが難しい…
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患者にしっかり向き合って力を尽くす医師が減ってきている
前回、最近の若手医師の傾向として、「担当した患者さんに対し、きちんとフォローせずに放置するタイプが増えている」とお話ししました。「病気を治したい」と望んでいる患者さんにきちんと向き合い、病気に対する…
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いまの若手外科医は「投げっぱなし」か「すぐ手術したがる」パターンが増えている
最近の若手外科医について彼らが手術するつもりになっている患者さんへのアプローチの仕方を観察すると、「ほとんど2通りにわかれている」と感じます。 1つは、自分が手術した患者さんに対し、術後はま…
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「足」のトラブルは心臓病を見つける重要なサインになる
「足」のトラブルは心臓病の早期発見にとって重要なサインになります。痛み、しびれ、むくみ、腫れ、血管が浮き出るなどの外見上の変化、さらには上肢と下肢の血圧差など、自覚症状だけでなく検査や診察をすることで…
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「速歩き」は心臓の健康にとってプラスになる…発症と死亡リスク低下
「歩く」=「ウオーキング」は心臓病をはじめとしたさまざまな病気のリスクを低下させ、健康寿命を延ばす──。この事実はこれまで数々の研究で明らかになっていて、一般にも広く知られています。 たとえば…
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「肺高血圧症」は心臓の問題が原因になっているケースがある
今年2月、プロ野球・東京ヤクルトスワローズの名物マスコット「つば九郎」の担当スタッフが、「肺高血圧症」で亡くなったという突然の訃報が伝えられました。 肺高血圧症とは、心臓から肺に血液を送る肺…
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「心臓粘液腫」は手術でしっかり取り切れば大きな心配はない
「粘液腫」という心臓にできる腫瘍があります。心臓を構成する組織から発生する特殊な腫瘍で、心臓腫瘍全体の30~40%を占めています。肉腫のような悪性=がんではなく、良性なので腫瘍そのものは命を脅かすもの…
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「クローン技術」は再生医療の明るい未来になりえるのか
iPS細胞を使って心臓という臓器を作り出すのは限りなく難しい--。そう前回お話ししました。未分化細胞であるiPS細胞は体のどんな臓器にもなることができるのは間違いないのですが、1種類の細胞から構成さ…
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iPS細胞で心臓そのものをつくり出すのは極めてハードルが高い
4月13日に開幕する大阪・関西万博で、最新の医療技術を紹介するパビリオンを計画しているパソナグループは、iPS細胞からつくった「ミニ心臓」を展示の目玉にするといいます。大阪大学の澤芳樹特任教授などの…
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体内に設置する「医療材料」は人工物だと限界がある
前回、「伸びる心血管修復パッチ」についてお話ししました。生まれつき心臓や血管の構造に異常がある先天性心疾患の子供の手術で、欠損部分の修復や補強、狭窄した血管の拡張などのために使用するパッチです。使用…
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「伸びる心血管修復パッチ」はどれくらい画期的なのか
昨年、心臓や血管の修復に使用する新たな合成心血管パッチが登場し、注目されています。生まれつき心臓や血管の構造に異常がある先天性心疾患の子供の手術で、心臓・血管の修復や補強、拡張などのために使用する部…
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新型コロナ後遺症で現れる心臓の症状への適切な対処法
新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行してからもうすぐ2年になります。5類感染症とは、感染症法での分類のうち、感染力や重篤性などに基づく総合的な観点からみた危険性が最も低いとされるものが該当します…
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飛行機の中で心臓を守るには持病や生活習慣病の管理が重要
法務省出入国在留管理庁の速報値によると、2024年1年間の日本人出国者数は約1300万人で、2019年比では35.2%減でしたが、前年比では35.2%増でした。旅行業界はコロナ禍で大きな打撃を受けま…
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気温が低い冬の屋外では心臓を守るための寒さ対策が重要
まだまだ寒い日が続いています。前回、心臓トラブルから身を守るためには寒さ対策が大切だとお話ししました。気温が低い環境では、われわれは血管が収縮して血圧が上昇したり、血栓ができやすくなって、心筋梗塞、…
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「寒い住まい」での生活は心臓に大きなダメージを与える
“最強”といわれた寒波はピークを過ぎたそうですが、厳しい寒さはまだまだ続く見込みです。 これまで何度かお話ししてきましたが、「寒さ」は心臓にとって大敵です。気温が低い環境では、われわれは血管を…
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「マイクロプラスチック」はなぜ心臓病のリスクになるのか
マイクロプラスチックが心臓疾患のリスクをアップさせる──。昨年、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表された最新の研究です。われわれの体内に侵入して蓄積されたマイクロプラス…
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現代社会のストレスを軽減して心臓を守る「祈り」のすすめ
現代は、技術の発展がますます進み、驚くほど便利で暮らしやすい生活が実現しています。その一方、競争、管理、人間関係などのストレスが顕在化した「ストレス社会」ともいわれます。実際、内閣府が15~74歳の…
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「心臓震盪」による突然死を防ぐにはAEDが欠かせない
「心臓震盪」と呼ばれる病態があります。胸部に受けた衝撃が原因で、直後に心臓が不規則にけいれんする心室細動などの致死性不整脈を起こして心停止に至り、突然死を招くものです。 野球、ソフトボール、サ…