著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「日本軍兵士たちの戦場体験」(25)市民たちは決起部隊のために鎮圧部隊を押し返そうとした

公開日: 更新日:
反乱を鎮圧されて原隊復帰する歩兵第3連隊。麻布区竜土町(現在の港区六本木)の駐屯地営門横では多くの人々がその様子を見守った(1936=昭和11=年2月29日)/(C)共同通信社

 歩三の第3中隊の上等兵Sの話を続けよう。Sの属する決起部隊の30人余も帰順することになり、制圧地域から兵舎に向けて行進を始めた。市中には黒山の人だかりで、決起部隊の彼らを拍手で称え、中には「ご苦労さん」と声をかける市民、さらには彼らの姿を見るや「万歳」を三唱する人々もいた。しか… 

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