著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「伴食宰相」(1)林銑十郎 “軍部の政治爾介入の道筋つけた越境将軍”

公開日: 更新日:
勲一等瑞宝章を受章し記念写真に納まる陸軍新教育総監の林銑十郎大将=1932=昭和7年6月13日、東京・日比谷の大武写真館(日本電報通信社撮影)

 昭和という時代には、32人の首相が政治を担った。この中には、これでよく首相が務まったねと嘆きたくなる人物(「伴食宰相」)が何人かいる。結局そういう人物の後に必ず独断、無思想、無定見、さらに声だけは大きい指導者が出てきて、時代をかき回すことになる。かき回すだけでなく穏健な美風を壊… 

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