古谷経衡 猫と保守と憂国
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ネット右翼は公明党の代わりになり得ない
自公連立解消は歴史的出来事であったが、一方で連立解消に手放しで喝采を送るのが高市支持のネット右翼(ネット保守とも)界隈である。一説には一小選挙区当たり2万票ともされる公明党支持層(全国で約600万票…
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高市早苗はなぜ「ネット右翼」になったか
高市早苗新総裁は若かりし頃、奔放な恋愛観を公言し、その議員キャリア前半では新進党に参加した。自由、人権、平和主義を尊重するまっとうな政治信条を持っていた高市は、1996年に新進党を離党して自民党に入…
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不動産はイメージの産物 「東京への幻想」を捨てよ
不動産価格が売買でも賃貸でも高騰している中で、比較的若い世代に青梅・あきる野など東京の西側への移住が人気だ、というニュースを見た。なんでも都心から電車で1時間程度のこの地域では、賃貸ならば6万円台で…
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「婚活に血税投入」の愚行と無意味
婚活アドバイザーにして、結婚相談所「マリーミー」を運営する植草美幸氏が人気を博している。「婚活」は説明不要だろうが、結婚相談所の需要はここ十数年で急増している。それだけ「結婚できない男女」が急増して…
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「外国人ヘイト」という妄想
自宅の前にある、築60年は優に超えているであろう古民家が先日売却されて、アパートが建つことになった。すわ解体という段になり、中東系の男が10人ばかりたむろするようになった。私は「ははあん」と思って彼…
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日航機墜落でも広がった荒唐無稽な陰謀論
日航機事故から12日で40年を迎えた。事故当時の1985年、私はわずか2歳だった。高校時代、吉岡忍の「墜落の夏」を読んで以降、日航機関連の著作を渉猟するようになった。後に私は日本ペンクラブに入会する…
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「高市早苗総理」誕生の最悪シナリオ
石破首相退任の圧力が強まる中、次の有力総裁候補に小泉進次郎農相、高市早苗前経済安保相の名が挙がる。正直なところ私は進次郎が有力と思うが、一寸先は闇ゆえ高市総裁・総理誕生の目も考えなければならない。「…
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参政党に流れる「チャンネル桜」人脈
参政党の関係者や立候補者には、チャンネル桜(正式名称・日本文化チャンネル桜)から多くの人材が流れている。チャンネル桜は2004年に設立されたCS放送局で、17年にはCSから撤退し、現在はユーチューブ…
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参政党は「保守派の受け皿」ではない
参政党の支持率が急伸している。6月の都議選で同党が3議席を取り、この勢いに乗らんとする勝ち馬効果もあるだろうが、実態はどうか。自民党は参政党の勢いを見て、「同党が保守層の受け皿になっている」として危…
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何の実績もない「自称評論家」に気を付けよ
インド西部のアーメダバード発、英国ロンドン行きの旅客機が墜落した。またぞろ日本のヤフコメ等では、気持ちの悪い自称航空評論家が闊歩している。「映像を見たところ、思うように機首が上がっていない」「バード…
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コメに優劣つける傲岸不遜
1993年のコメ大凶作で、タイ米などが緊急輸入されたとき、私は小学4年だった。グルメでも何でもないただの子供が、食堂やレストランの従業員に対し、「このお米は国産ですか? それとも外国産米ですか?」と…
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教育虐待という恐怖体験
今月7日、東京メトロ東大前駅で切りつけ事件が起こった。逮捕された容疑者は犯行動機に「教育虐待」をあげた。年齢は43。私と同い年である。無論、加害者の行為は厳罰に値する。が、その歪んだ人格に対し、私は…
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なぜ「不倫モノ」ドラマや映画がはやるのか
またぞろ有名俳優らの不倫報道がかまびすしい。巷ではテレビドラマも映画も「不倫モノ」(あるいはその復讐劇)が花盛りである。日本人にはよほど不倫願望があるということなのか。ちなみに、ある民間調査では日本…
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卑屈すぎて哀れな日本外交は世界の笑いもの
赤沢経済再生相が、トランプ米大統領との関税交渉の際、MAGA(マガ=アメリカを再び偉大に)帽子をかぶって記念撮影をしたことが物議を醸している。これに先立ち自身を「格下」と何度も表現してトランプに迎合…
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日本保守党を巡る分裂劇がしょうもない
日本保守党を巡り、保守界隈が骨肉の分裂劇に発展している。一昨年結成された同党を支援した保守界隈の2大雑誌「Will」「Hanada」が、軒並み今年に入り同党批判に転じ、最新号(5月号)では両誌とも保…
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ケネディ暗殺に関する機密文書を読み解く
トランプ米大統領は確かに暴君に違いないが、いわゆるケネディ(JFK)暗殺に関する機密文書の公開だけには賛辞を贈りたい。言わずもがなJFK暗殺は陰謀論の総本山である。容疑者とされたリー・オズワルド単独…
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杉田水脈 参院選で自民公認の怪異
今夏の参院選(全国比例)に杉田水脈前衆院議員が自民党から出馬する。これほど幻滅したことはない。一部では「保守派への配慮、ガス抜き」という解説もある。だが杉田は保守派などではなく、完全なアレではないの…
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伊藤詩織監督「Black Box Diaries」評
伊藤詩織監督作品「Black Box Diaries」を見た。結論からして映画としての完成度は非常に高い。傑作といってもよいほどである。今後もさまざまな映画賞などでの受賞が見込まれる出来だろう。まず…
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埼玉県八潮市「道路陥没」事故で、またぞろはびこる「軍師しぐさ」の怪異
埼玉県八潮市で起きた道路陥没事故は本稿執筆時点でも穴に落ちた運転手の安否が不明で、懸命の救助作業が行われている。そんな中またぞろSNS上では、作業の映像を見て「俺だったらうまく指示できる」「救助班は…
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「戦後体制最後の巨像」フジテレビの終焉
日本におけるテレビ業界は、戦時体制最後の巨象であり、その象徴的存在がフジテレビであった。新聞から出発した日本の民間メディアは、1930年代の戦時統制によって1県1紙体制が確立し、全国紙ーブロック紙ー…
