もっと知ろうよ船橋ケイバ「NARグランプリ候補が船橋に3頭も」
今開催の船橋ケイバは8月9日(月)から13日(金)までの5日間開催。重賞は組まれておらず、開催のメインは3日目の準重賞、A2下の千葉日報賞である。
さて、猛暑真っただ中の開催だが、今年は船橋ケイバが特にアツい。古くから多くの地方の名馬を生みだした船橋から、3頭のJpnⅠの勝ち馬が誕生しているからだ。
まずは昨年12月、全日本2歳優駿を逃げ切ったアランバローズ(林正人厩舎)。5馬身差でJRA馬を一蹴した。今年は京浜盃⑨着、羽田盃②着のあと、東京ダービーにも勝利した。
疲れが出たためにジャパンダートダービーは回避。今後は未定だが、秋の目標を11月3日のJBCスプリント(金沢競馬場のダート千四百メートル)に置いているようだ。
そのジャパンダートダービーを12番人気ながら逃げ切ったキャッスルトップも船橋所属(渋谷信博厩舎)。5月11日、9戦目でようやく初勝利を挙げた馬が、その後は4連勝で3歳馬のダートの頂点に立った。
地方競馬所属馬の勝利は4年ぶり。鞍上の仲野光馬(かづま)はこれが初の重賞勝利だった。
順番は前後するが、古馬では何といってもカジノフォンテン(山下貴之厩舎)。4歳の暮れ、昨年の東京大賞典②着をきっかけにブレーク。川崎記念で初のJpnⅠ制覇を果たし、地元・船橋のかしわ記念も勝利。地方所属でGⅠ、JpnⅠを2回以上制したのは、アブクマポーロ(4勝)、アジュディミツオー(5勝)、フリオーソ(6勝)以来、史上4頭目である。
地方の馬がJRA馬と対戦するダートグレード競走を勝つのはなかなか大変なこと。それをわずか半年ちょっとの間に、船橋の馬は3頭で4回もやってのけたのだ。これは相当に凄い。
例年だったら、ひとつ勝っただけでも十分にNARグランプリの対象になるところ。
同じ船橋所属馬でみても、14年のNARグランプリに輝いたサミットストーンは浦和記念(JpnⅡ)勝ちがその年の最高成績。17年のヒガシウィルウィンは東京ダービー、ジャパンダートダービーを連勝したが、18年のキタサンミカヅキは東京盃(JpnⅡ)勝ちが最高だった。
では、21年度はどうなるか……。現状ではカジノフォンテンが一歩リードしているように思えるが、3歳のアランバローズ、キャッスルトップにはまだまだ伸びシロがたっぷり。秋の結果次第では、最後まで分からない。
同じ船橋所属の馬で争う21年度の頂点。船橋ケイバファンにとってはたまらない一年となりそうだ。
■外部リンク 船橋ケイバ 公式サイト