体温を下げない冷感グッズは熱中症リスクをむしろ上げる

公開日: 更新日:

 熱中症の季節が到来し、あちこちで「冷感グッズ」が目立つようになってきた。身に着けたり接触するとひんやりする衣服や寝具、塗布したり貼り付けたりスプレーすると冷却感がある商品など、熱中症対策グッズとして大々的に取り上げられている。だが、そうした冷感グッズの中には逆効果になってしまうものがあるというから注意したい。

 われわれが「冷たい」「温かい」と感じるのは、皮膚の近くまで広がっている温度を感じる末梢感覚神経に存在する冷受容体や温受容体が外部の温度刺激に反応し、情報が脊髄や脳へ伝達されることで知覚する仕組みになっている。生命を維持していくためには外部環境の変化に細かく対応する必要があり、体が温まれば汗をかいて体内の熱を放散し、冷えれば逆に汗腺を収縮させて熱が逃げないようにする。

 そんな重要な役割を担う“温感センサー”が、冷感グッズによって誤作動を起こし、逆に熱中症を引き起こす原因になる可能性があるという。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏は言う。

「冷感グッズの中には、汗を素早く吸収して蒸発を促し、熱を放出させやすくして実際に体温を下げる効果がある衣服や寝具もあります。問題なのは『冷えた』と錯覚させるグッズです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?