オンラインマッチングは時代の最先端~業界No.1に聞く「イマ」と「コノサキ」~【第3回】

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今話題のオンラインマッチング「pato(パト)」に注目!

 新しい出会いの場としてさまざまな「オンラインマッチング」が登場している今、特に注目を集めているサービスがある。株式会社キネカが運営している「pato(パト)」がそれだ。飲食業界は新型コロナ蔓延で大打撃を受けているなか、数多くのサービスの中でもpatoが人気となっているのはなぜか、その秘密を探った。

■何事も真摯に受け止めて自分たちの改善につなげる

 最終回の第3回は平塚COOに再び登場してもらい、現在の課題や今後の展望などを大いに語ってもらうことにした。

 平塚COOは実際にpatoのサービスを始めて比較的早い段階からすでに「これならいけるだろう」との手応えを感じていたという。

「私たちが提供しているのはCtoCのサービスですので、サービス開始直後からユーザー様からの『とても楽しかった。このサービスを利用してある意味リラックスして、明日への活力になったよ』とか、一緒に働いていただいているキャストさんからの『これだけ頑張ることが出来た。自分の目標まで収入を上げることができた』といった生の声を直接耳にすることができました。patoに関わる人たちがこんなにも喜んでくれているのだから、あとはこれをいかにいい形で広めていくかだなあと考えていました」

 とはいえ、その一方でSNSなどpatoのサービスに対するネガティブなイメージが広がっていったのも事実だ。もちろんそのことは平塚COOにも十分理解していた。

「もし仮に事実とは異なる点が見受けられたとしても、それはイメージだったり、世間が感じることだったりするので、まず何事も真摯に受け止めなくてはいけないなと思いました。しっかりと受け止めて、それをどうやって自分たちの改善につなげていけるのか、ただそれだけを考えました」

今、力を入れているキャストたちの雇用

 こうしてキネカが社会的認知を得るため、自分たちを高めるために実際にやってきたことが批判もあったキャストの納税に対する問題の解決であり、それは税理士を招いてのセミナーや勉強会の開催につながっている。その効果は第1回で紹介したキャストの話から分かるだろう。

 さらに最近、キネカが特に力を入れているのがキャストとして活躍していたスタッフの雇用だ。現在、同社にはキャストを引退した後スタッフとして契約し、キャストのアドバイザー、相談係として従事している女性もいれば、patoを通じて知り合ったユーザー様の会社の仕事や業務内容に興味を持ち、採用への応募などを経て、そこで働くようになった元キャストも少なからずいるという。

「patoに関わって一緒に盛り上げていただいたキャストさんたちの新しい働き方を作り提供していくことは、マーケットリーダーである私たちこそが率先してやらなければいけないことだと理解しています。次の仕事をやっていきたいと願っても、例えば夜の飲食店など繁華街で働いていると履歴書に空欄を作ってしまうことにもなりかねません。でも、それではいけませんよね。キャストさんに対する福利厚生の一環として彼女たちのセカンドキャリアのことを考え、教育し、ともに成長していくことが何よりも大事です。そうすることによって、スタッフからも愛される会社になり、より良いキャストやスタッフが集まるのではないかと思っています」

飲食店を盛り上げて元気な日本を作る

 ここ数年、長引くコロナ禍で全国各地の飲食店は大きな打撃を受けている。夜になっても繁華街に人の姿が見られず、中には客足が遠のいてしまって閉店を余儀なくされた店も少なくないというのが、悲しいかな現状であるといわざるを得ないだろう。

 この点に関して聞くと平塚COOは、「弊社サービスを利用したお客様が飲食店を使用することで席が埋まって、もちろん売り上げも上がります。飲食店を経営されている方からも『patoのシステムはありがたい。もっと広まってほしい』と好評をいただいています。今のこの閉塞感にあふれた状況を脱却して元気な日本を作っていくためには、飲食店の皆さまと一緒に協力し、もう一度元気を取り戻してもらうこと、それが何よりも大切だと思いますね。そこで、今後は大手の飲食チェーンとのコラボもやっていくなどいろいろなプランを今、検討しているところです」

 patoのスタート以来、数々のユニークなアイデアを次々に実践してpatoを、そして、業界を盛り上げてきた平塚COOだ。それだけに、どんなコラボが始まるのか今から大いに楽しみなところである。

patoを「新しい文化」に…

 最後に、平塚COOに現在のpatoの抱える問題点や課題、今後の展望を聞いてみた。

「課題ということでは、世の中に新しいプロダクトを作っているとよくある話なのですが、patoも最初は本当に約30分でユーザー様の元にキャストが予定通り到着する。しかもしっかりと教育を受け、適切なサービスを提供してくれるとユーザー様にとって信じられない話だと思います。これは非常にサービスの価値は高いと思っています。しかし、予想外の価値だったことがだんだん当たり前になってしまい、ユーザー様の満足が得られなくなってしまうということが長くサービスを提供しているとケースとして発生してしまいます。そこで新しい価値を提供し続けなくてはならない。私たちにつねに寄り添う大きな、そして、重要な課題であり、これでいいということはありません。ですから、今後もチャレンジ精神で新しいことに、想像力を高め積極的に取り組んでいきたいと思っています」

 と語る平塚COOが現在進めているのが業界を1つにまとめる協会を組織することだ。

「今、私たちオンラインマッチング業界にはさまざまな企業が参入してきました。もちろん、それで業界が活性化することは非常に喜ばしいことではありますが、中にはいろいろな問題を抱える企業があることは否定できません。そこで、1日も早く協会を立ち上げ、きちんとしたガイドラインを作って社会的にも認められる健全な業界にすることが急務なのです」

 オンラインマッチングが世の中から注目を集める中、キネカはリーディングカンパニーとして業界を引っ張ってきた。そして、そのトップとして先頭に立ってきた平塚COOには究極の大きな夢があるという。それは「patoを『新しい文化』にしていきたい」ということだ。

「2017年にサービスの提供を開始して以来5年。おかげさまで多くの方にご利用いただき、patoの認知度もかなり上がってきました。しかし、これに満足することなく今後はpatoを『新しい文化』にしていきたいなと思っています。ユーザーファーストの視点で笑顔をたくさんお届けし、ゲストさんと一緒に新しい文化を作っていければ嬉しいですね」

 笑顔で語る平塚COOには自信のほどがうかがえるようだった。その表情を見る限り、キネカの今後には大いに期待できそうだ。

【取材協力】キネカ

《第1回目はこちら
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