柳家花緑さんが語る落語家人生のターニングポイント「一番はやはり22歳での真打ち昇進」

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柳家花緑さん(落語家/54歳)

 5代目柳家小さんの孫、柳家花緑さんのその瞬間は戦後最年少で真打ちになった時。春風亭小朝さんが徹底的に鍛えてくれたという。

 ──落語家人生の中で一番のターニングポイントは?

 やはり真打ち昇進。変な話、結婚は2度できても真打ちになるのは人生で一度きり。そこを目標に若手はみんな努力するわけですし、とても大切なものなんです。

「22歳で昇進できたのは落語協会の会長に太いパイプがあったから」とよくネタにしていましたが、私の祖父が会長を20年以上務めた柳家小さんでしたから。おじいちゃんの力を最大限に使ったわけですよ(笑)。

 祖父はよくテレビに出ていたので僕は小さい頃から「テレビのスターなんだ」とは認識していました。一緒に住むようになり、小学生になった僕を寄席によく連れて行ってくれました。楽屋にも入れてもらっていましたが、ある日、浅草演芸ホールの一番前の席に座らされて、祖父のお弟子さんが持ってきてくれたジュースを飲みながら見ていたんです。すると、芸人さんが舞台から「このあとに出る小さん師匠のお孫さんですよ」と私をイジるわけですよ。僕は平気な顔でジュースを飲んでいましたが。

 落語を始めたのは9歳からです。最初は叔父の三語楼師匠(現.6代目柳家小さん)に教わりました。母に言わせると「名前が九だから9歳から始めたのよ」と。芸歴でいうと正式入門が中学卒業してからなんですが、僕は落語人生が9歳から始まったと考えています。というのも、祖父と叔父に連れられて地方公演に行き、高座に上がっていましたからね。中学3年生で新宿末広亭の一門会にも出ているんです。「大工調べ」という難しい落語をやりました。まったくウケなかったですが。お客さんは「小さんの孫がどのくらいやるんだろう」と興味を持って見てくれたみたいでしたが、ひどいもんで。そんなに甘くないってことを知りました。

 中学を出ると九太郎という前座名で正式入門しましたが、最初は見習いで高座にはまだ上がらないのが普通なのに、すぐ高座に上がらせていただきました。「うまいねえ」と楽屋で言われることもありましたが、中学を出たといってもまだ子どもだから、落語における自分の口調ができていない。祖父の話し方をそっくりにコピーしていたんです。17、18歳の時、国立演芸場で今の5代目の三遊亭金馬師匠が僕に「売店のおねえさんが言ってたぞ。『今日の前座さんは随分年寄りね』と」。売店には音声しか流れませんから「いやいや僕ですよ」と(笑)。そのくらい口調がおじいさんだったんです。

 自分の口調が出てきたのは二つ目から。子供の頃は当たり前に感じていた自分のいる環境が実はすごく恵まれていると気づいたのもその頃。

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