著者のコラム一覧
安倍昌彦スポーツライター

1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

私の「ドラ1」は大商大の左腕・星野世那 右打者の腹部を抉るクロスファイアと負けじ魂に惚れた

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 4年生になったこの春もリーグ戦4勝で優勝の推進力となって、星野投手自身もMVP(最高殊勲選手)を受賞してみせた。

「8月に関東遠征7連戦っていうすごいのがあって、プロ野球相手にも投げさせていただいて、正直、きつかったですけど、かなり自信になって、ありがたかったです」

 炎熱の7連戦直後にグラウンドに伺った時も、疲れていないわけがないのに、凜とした態度でキリッと練習に励む星野世那。投球練習のクロスファイアが、ちょっとシュート回転して、中に入る。途端に、グラブで足を叩いて悔しがって、次に投げたクロスファイアが凄かった。右打者が立っていたら、お腹のあたりをえぐられるような食い込み方で、捕手のミットに突き刺さった。

 このサウスポーは強い。ちょっとやそっとのことじゃあ、へこたれない。スライダーとチェンジアップの区別がつかないとか、ツーシームも使い始めて一段と打ちにくさが増したとか、長所はいくつもあるが、星野投手の最大のストロングポイントはそこだ。

 何かと、ものわかりがよくなっている今のご時世で、こうした骨っぽいヤツこそ、希少価値。野球はチームスポーツだが、スタートは投手対打者の「対決」から始まるのだ。投手だって、弱いより強いほうがいいに決まっている。

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