上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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心臓病の人はワクチンより感染で生じるリスクの方が高い
新型コロナウイルスワクチンの接種が始まりました。国が決めた優先順位にしたがって、医療従事者に続いて高齢者でも接種がスタートしています。 その次に優先接種の対象になるのが「基礎疾患のある方」で…
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最先端の心臓手術であらためて痛感する「準備」の重要性
ここ3回ほど、最近の心臓手術についてお話ししました。検査機器や医療材料の大幅な進化によって、以前であれば手術できなかったり、手術できても身体機能の一部を失ってしまうようなケースでも問題なく手術できる…
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進化する新たな技術を手術に応用できないか常に考えている
前回、60代の男性患者の手術についてお話ししました。弓部大動脈瘤でこぶが大きくなった動脈を人工血管に交換したうえ、3カ所の冠動脈バイパス手術をいっぺんに行ったケースです。 首の頚動脈に人工心…
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大動脈瘤に加えほかの手術を同時に行うケースが増えている
近年、増加している大動脈のトラブルの中に「弓部大動脈瘤」という疾患があります。動脈硬化などによって大動脈の一部が膨らんでできたこぶ=大動脈瘤が、大動脈弓部と呼ばれる部分にできたものを指します。 …
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ハイブリッド手術は高齢患者の夢をかなえることができる
心臓手術の進化が患者さんの夢をかなえる――。先日、あらためてそう感じた手術を実施しました。 患者さんは88歳という超高齢の男性で、狭心症と大動脈弁狭窄症があり、全身も衰弱して生活に大幅な制限…
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活動的で質の高い生活にはより良い「視力」が欠かせない
今年の正月休みに右目の手術を受けて実感したのは、より質の高い生活を送るためには「しっかり見える」という状態が欠かせないということです。 もともと私は強度の近視で、老眼も重なった40代後半から…
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右目の手術を受けて手元がさらにはっきり見えるようになった
去年から今年にかけての年末年始は少しだけ手術をお休みしていました。実は正月休みを利用して右目の手術を受けたのです。 「黄斑円孔」という目の疾患でした。黄斑というのは光を感じる網膜の中心部のこと…
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糖尿病と心臓疾患は個別に対応するのが現状では最善の策
前回、前々回と脳梗塞のお話を続けてきました。脳の血管が詰まって発症する脳梗塞は心臓と深い関係があるため、心臓も含めた総合的な治療部門の新設を進めているところです。脳も心臓も血管のトラブルが病気につな…
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バラバラな専門科を統合する脳梗塞治療施設を立ち上げる
脳の血管が詰まって発症する脳梗塞に対しては、脳だけでなく心臓も含めた総合的な治療体系が望まれる。前回はそんなお話をしました。 年間70万人が発症する脳梗塞は、突然死を招いたり、深刻な後遺症で…
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心臓と大きく関わっている脳梗塞は総合的な治療体系が必要
脳の血管が詰まって起こる脳梗塞は、じつは心臓と大いに関係があります。 たとえば、心臓が細かく不規則に収縮を繰り返す心房細動があると、血流が悪くなるため血栓ができやすくなり、その血栓が脳の血管…
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年間1万円強の負担で全国どこでも質の高い医師にかかれるようになる
医師不足に悩む地方医療の疲弊を食い止めるため、公費を投入して学費を免除したり、奨学金を支給して医師を育成する大学教育システムを構築すべきという私案について前回お話ししました。 卒業後に特定の…
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“義務”を果たせば学費免除の育成システムを全国で導入すべき
医師不足に悩む地方医療の疲弊を食い止める――。1973年からスタートした「1県1医大政策」の精神を今こそ見直すべきである。前回そんなお話をしました。 「努力して医者になり、地元や地方の患者さん…
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医療の将来のために「1県1医大政策」の精神を見直すべき
昨年65歳となり、いわゆる定年で主任教授を辞し、4月から大学の理事兼特任教授として病院では現役の外科医として手術を続けていきます。講座の主任教授に一区切りをつけるに当たって、自分が医師になった当時の…
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新型コロナと闘ういまの日本には「柱」が見当たらない
マンガ、アニメ、映画で大ヒットしている「鬼滅の刃」には、新型コロナウイルスに打ち勝つために学ぶべき点が描かれている。前回、そんなお話をしました。 物語の中で、主人公の竈門炭治郎は、鬼の始祖・…
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「鬼滅の刃」にはコロナに打ち勝つポイントが描かれている
「鬼滅の刃」が社会現象ともいえる大ヒットとなっています。少年ジャンプで連載されていたマンガで、テレビアニメや映画も記録的な人気を誇っています。大正時代を舞台に、家族を鬼に殺され、鬼になってしまった妹を…
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認知症で療養型施設に入居している患者の搬送が増えている
このところ、認知症で介護療養型医療施設に入居されている高齢の患者さんが救急搬送されるケースが増えています。施設で心臓の発作を起こすなどして、順天堂医院のような急性期病院に運ばれてくるのです。 …
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心房細動はしっかり治療しないと認知症にかかりやすくなる
高齢化がますます進んでいる日本では、「心房細動」の患者さんが増えています。心臓が細かく不規則に収縮を繰り返すことで動悸や息切れの症状が表れる病気です。血流が悪くなるため血栓ができやすくなり、心原性脳…
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新型コロナによる「受診控え」で命の危機を招けば本末転倒
新型コロナウイルスの感染がさらに拡大し、医療機関の受診を控える人が増えています。日本胸部外科学会の調査によると、医療機関の3分の2が、今年2月から8月までの間、手術件数が前年同時期に比べて「減った」…
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iPS細胞を使った「心筋球」による心筋再生医療の期待と課題
慶応大病院でiPS細胞を用いた心筋再生医療の臨床試験が今年度中に始まる予定です。これまで、心臓移植しか治療の手だてがなかった拡張型心筋症による重症心不全の患者さんに対し、iPS細胞からつくった心筋球…
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低侵襲な医療には長期的なエビデンスが不足している治療も
前々回と前回で、心臓手術の進歩の方向性は患者さんの負担を減らす「低侵襲化」にあり、若い医師たちもさらなる低侵襲化に向けて進んでいるというお話をしました。しかし、安易な低侵襲化には危惧すべきところがあ…
