上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」
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「肥満」を防ぐ食生活が心臓を守り健康寿命を延ばす理由
前回、われわれが普段から摂取している「脂質=油」が心臓に問題を引き起こす大きな要因になっていることについてお話ししました。心臓疾患の予防も含めた健康維持のためには、肉や乳製品に偏った食事を魚や野菜類…
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「脂質=油」はわれわれの心臓に大きな影響を与える
前回、日本人の心臓に問題を引き起こす最大の要因になっている「高血圧」についてお話ししました。もちろん、心臓トラブルに関係しているのは血圧だけではなく、近年、注目されているのが「脂質=油」です。 …
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日本人の心臓にいちばん問題を引き起こしているのは「高血圧」
新型コロナウイルスの感染拡大とワクチン接種が進む中で、あらためて注視されているのが「血圧」です。 病院で計測した場合、「上(収縮期血圧)120㎜Hg未満/下(拡張期血圧)80㎜Hg未満」が正…
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心臓とがんの治療を受けるなら連携体制が整っている病院を選ぶ
前回、がん治療の進化に伴って心臓に障害が起こるケースが増えていることについてお話ししました。高齢化が進む日本では、今後、がんと心臓疾患の治療を並行して行う患者さんがますます増えるのは間違いありません…
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がんではなく心血管疾患が原因で亡くなるがん患者が増えている
高齢化が進む日本では、心臓疾患とがんの関係がますます深くなっています。がん治療が大きく進化して生存率が向上している一方で、がんではなく心血管死する患者さんが増えているのです。実際、米国のがん患者30…
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コロナ禍で「たこつぼ心筋症」にご用心 強いストレスで発症
感染者が減ってきているとはいえ、まだまだ新型コロナウイルスに対する感染対策を怠るわけにはいきません。首都圏の緊急事態宣言も延長される方向で、まだしばらくは不自由な生活が続きそうです。 そうし…
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命を守る新型コロナワクチンを安心して接種するための備え
新型コロナワクチンの接種が進んでいます。新型コロナウイルス感染症の発症や重症化を防ぐ効果があるのは間違いなく、現時点ではウイルスから自分の身を守る最善の手段といえるでしょう。 一方で副反応の…
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各専門科から集まったチームだからこそ有効なコロナ治療法が見つけられる
「デルタ株」の登場から蔓延まではすさまじい速さで、新型コロナウイルスの感染拡大がさらに続いています。コロナ患者を受け入れている順天堂医院のコロナチームのスタッフは日々尽力しています。 コロナと…
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心房細動や貧血が「心不全」の原因になるケースもある
近年、日本でも増えている「心不全」は病名ではなく、心臓の働き=ポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなっている病態を指します。放っておくと徐々に悪化して命を縮めてしまうため、早い段階で進…
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心不全は原因となる病気をコントロールして悪化を食い止める
高齢化が進んでいる日本では「心不全」の患者さんが増えています。毎年1万人ずつ増加しているというデータもあり、危惧されています。 心不全というのは病名ではなく、心臓の働き=ポンプ機能が徐々に低…
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「噛む力」は心臓にかかる負担の大きさに関係している
噛む力=咬合力が弱い人は心臓疾患になりやすい、という研究報告があります。 国立循環器病研究センター、新潟大学、大阪大学の共同研究チームが、大阪府の吹田市民を対象としたコホート研究を解析したも…
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「出会いに感謝」「苦労と握手」若手医師に伝える心構え
前回まで若手医師の手術指導についてお話ししてきました。 若手が手術に臨むには、基本的な手技と局所解剖の知識を身につけることが大前提なのはもちろん、メンタルとフィジカルのコンディションをしっか…
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厳しい指導は正面から向き合っていないとハラスメントになる
前回お話しした若手医師の手術指導について続けます。 基本的な手技と局所解剖の知識に問題がない若手はスタッフとして手術に参加させ、難しくない処置を実践させます。それも適切に行えていれば、次は指…
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外科医には心身の調整とコミュニケーション能力が欠かせない
若手医師への手術指導は、まず基本的な手技と局所解剖についての知識をしっかり習得できているかどうか点検するところから始まる。前回はそんなお話をしました。 私がまだ若手だった時代、こうした技術や…
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若手医師の手術指導はまず初歩的な手技の習得度を把握する
前回、千葉市立青葉病院で起こった医療事故について取り上げました。2019年11月に左腕の肘関節手術を行った際、執刀した当時6年目の担当医が尺骨神経をメスで剥離する過程で、誤って神経を切断してしまい、…
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「医療安全」に対する認識不足が医療事故につながる
今月11日、千葉市立青葉病院が医療事故を起こしたと発表しました。2019年11月、自転車で転倒した50代患者の左腕の肘関節手術を行った際、執刀した当時6年目の担当医が尺骨神経をメスで剥離する過程で、…
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コロナ禍で運動量が激減していたら「腹式呼吸」で心臓を守る
心臓にとって適度な運動が有益であることはよく知られています。 今年2月にも、デンマークの研究で「運動によって突然死のリスクを低くできる」と報告されています。1週間の総エネルギー消費量に基づい…
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デバイスを使うほど高度な医療を誰もができるようになるが…
前回、僧帽弁閉鎖不全症に対する「マイトラクリップ」が、治療の選択肢としてガイドラインに加えられたお話をしました。マイトラクリップは、先端にクリップの付いたカテーテルを下肢の静脈から挿入して僧帽弁に到…
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ガイドライン改訂「マイトラクリップ」について思うこと
昨年、日本の「弁膜症治療ガイドライン」が改訂されました。中でも、僧帽弁閉鎖不全症に対する治療が大きく変更されています。 僧帽弁閉鎖不全症は、心臓の中にある僧帽弁がうまく閉じなくなって血液が逆…
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心房細動のほとんどは「左心房」が原因で発症する
これまで“おまけ”として考えられていた心臓の右心室が心臓突然死と深く関わっていることがわかり、注目されていることを前回お話ししました。今回は「心房」を取り上げます。 心臓は「右心房」「左心房…