「軍都を歩く」清水亮著│六本木一帯は帝国陸軍などが駐屯した軍用地
「軍都を歩く」清水亮著
今はその面影もないが、六本木のミッドタウンは2000年まで防衛庁(現・防衛省)の所在地だった。戦前までさかのぼれば、六本木一帯が帝国陸軍第一師団歩兵第三連隊などが駐屯した軍用地だった。終戦時、沖縄を除く内地だけでも、東京都の約1.5倍近い面積の軍用地があり、戦後にそれらを農地や学校、工場などに転用していくことで復興が始まったのだ。
本書は、かつて軍都だった街を歩き、その歴史をたどりながら、そこで被害と利益を受けながら生きてきた人々の暮らしの実相に迫るリポート。
江戸幕府が設けた砲術演習場がはじまりという辻堂海岸の旧日本海軍の演習場をはじめ、新宿や霞ケ浦、呉、南西諸島などの元軍用地を歩き、生活者の目線から、いつのまにか基地が日常へと溶け込んでいく軍事化への過程を明らかにする。 (中央公論新社 1265円)


















