週間読書日記
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小野寺史宜(作家)僕のような人が一定数いるにちがいない
4月×日 今日も歩く。僕はいつもそうなのだ。徒歩20分のスーパーに買物に行く際も、大まわりをして40分をかける。健康のためでもあるが、書くためでもある。1時間も歩けば、何かしらアイデアは出る。登場人物…
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伏尾美紀(作家)清張にとっても自身と父との物語であった「砂の器」
1月×日 雪がまた、窓ガラスを叩き始めた。雪かきでくたくたになった体を休めながら、松本清張著「清張が聞く! 一九六八年の松本清張対談」(文藝春秋 1980円)を読む。東久邇稔彦、池田大作、松下幸之助ら…
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丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)
4月×日 趣味としての読書、というものをしばらくやっていない気がする。海外取材に執筆、さらにYouTubeでの発信が主な仕事になってから、本は完全に「資料」という位置づけになった。特にインタビューでは…
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嶺里俊介(作家)
3月×日 「これ可能なの?」犯人が仕掛けたトリックについて、とある席で同業者から質問された。通信業界に身を置いていたので、多少は見識がある。呉勝浩著「爆弾」(講談社 1980円)。大都市東京を舞台にし…
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黒木亮(作家)
3月×日 取材でやって来たエストニアの首都タリンで、ペリメニ(餃子)の夕食。東は日本から西はポーランドに至るまで幅広く愛されるユーラシアの代表食。当地では厚めの皮であんを包み、一口サイズに丸め、蒸して…
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真梨幸子(作家)
3月×日 去年の11月から続けている歯医者通い。歯だけには自信があったのに、還暦をすぎるとやはりガタがくる。人生初の根管治療。治療が終わるまではその歯で噛めないのでストレスが半端ない。待合室はさらにス…
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荻堂顕(作家)
2月×日 先週床に物を落とし、かなり大きな穴を開けてしまった。慌ててホームセンターで補修キットを買い、自分なりに埋めてはみたものの、むしろ見栄えは悪くなる一方である。そこで、思い切ってプロを呼んだ。5…
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高嶋哲夫(作家)
3月×日 連日、マスコミは高市政権の動向を報じている。新政権が誕生するたび、僕たちは期待と不安のはざまで揺れる。教育無償化や消費税廃止、減税といった政策は注目を集めるが、いま日本に求められているのは、…
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彩瀬まる(作家)
3月×日 原稿がなかなか進まない。理由はわかっている。国際情勢が不安定だからだ。従来の国際秩序が揺らぎ、別の形に遷移する過渡期にいるように感じる。私はどの小説も、「私たちが住んでいる世界とはこういうも…
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絲山秋子(作家)
1月×日 衆院選の情報をラジオで聴きながら確定申告のための伝票整理をする。私が住む群馬5区は自民党と参政党の2人しか候補が立たない。立派な祭のある町を羨むような気分で全国の注目区や激戦区をチェックして…
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赤神諒(作家)
2月×日 教壇に立って二十余年。法学の講義で学生の関心を惹こうと、渾身のジョークやエピソードを投げても、教室は静まり返っている。打率1割台の貧打に喘ぐ我が身は、小説家としても「隠れた名作」を量産するば…
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岩井三四二(作家)
1月×日 お久しぶりです。この「週間読書日記」は、3年半ぶりの登場です。 さて、中島京子著「長いお別れ」(文藝春秋 726円)は、認知症の物語である。登場するのは中学の元校長先生。 元…
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佐野広実(作家)
1月×日 ご存じと思うが、ミステリーの小説やドラマには一種のパターンがある。「ラストは断崖絶壁」といったものではなく、物語の構造のことだ。例えば「最初のうち犯人かと怪しまれていた人が実はいい人で、いい…
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佐藤一磨(拓殖大学政経学部教授)
12月×日 実家に帰省する新幹線の中で、気になっていた田中世紀著「なぜ男女格差はなくならないのか」(講談社 1012円)を読む。男女格差については色々な本があり、差別化するのが難しいが、どうなのかと思…
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加来耕三(歴史家・作家)
1月×日 おせち料理において、子孫繁栄の願いを込めて食すのは「数の子」=ニシンの卵であるが、寿司や和食のトッピングとしてよく用いられる「とびっ子」は、トビウオの卵である。 トビウオは「𩹉」と書…
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森朗(気象予報士)
12月×日 生まれてこの方、着物など全く意識してこなかったが、縁あって沖縄の離島に伝わる反物を入手したことから、物好きの虫がむくりと頭をもたげた。離島の伝統的な染織は、繊維も染料も島の素材、作るのも島…
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羽鳥好之(作家)
12月×日 来年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」の関連本が書店を賑わしている。手にとったのは、福田千鶴著「豊臣家の女たち」(岩波書店 1166円)。著者は注目の近世史学者で、戦国から江戸期の女性史に関して刮…
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中野純(闇案内人)
11月×日 今夜は墨田区主催のワークショップで、路地裏の暗闇を楽しんでもらった。東京の町の闇歩きは問題ないが、山のミッドナイトハイクは参加者が急減した。クマ報道の影響だろう。高級酒をちびちび飲むように…
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谷口功一(東京都立大学法学部教授)
12月×日 NHKの朝ドラ「ばけばけ」が面白い。主演の高石あかりは以前から注目していた女優だが、映画「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ(阪元裕吾監督)でも光っている。女性が圧倒的な暴力を振るう系のコミカ…
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増田晶文(小説家)
11月×日 彼女の双眸が開き、テレビニュースに釘付けとなった。 「あれは熊だよ、熊」 せっかく教えてやったのに知らんぷり。画面に近づいて匂いをかぎ、耳をピクピク。尻尾を立てるや「ニャッ」…
