「書かなきゃいけない 日航123便墜落、41年目の真相」青山透子著│事故調査報告書にはいくつもの矛盾が
「書かなきゃいけない 日航123便墜落、41年目の真相」青山透子著
著者は元日本航空国際線客室乗務員でノンフィクション作家。520人の犠牲者を出した日航123便墜落で同僚を失った。メディアが報じる事故原因に疑問を抱いて調査研究を始め、「日航123便 墜落の新事実」「日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす」など、これまでに8冊の著書を世に出した。あの事件から41年目に当たる今年8月に本作を刊行、真相究明の過程で知ったこと、見たこと、考えたことをまとめた。
著者は日米の公文書をはじめとする関連資料を読み込み、事故当日の目撃証言を集め、関係者に話を聞いた。墜落現場となった群馬県上野村の元村長、地元の消防団、警察官、検視に対応した医師や歯科医師、看護師たち。調査の過程で著者が知った事実と、事故調査報告書にはいくつもの矛盾があった。矛盾を突き詰めていくと、軍事的要因の可能性が否定できないと考える著者は、遺族とともに国に再調査を求めている。
再調査は不可能ではないと著者は言う。まず、ボイスレコーダーとフライトレコーダーの生データを公開すること。事故調査委員会が保管していた生データはいつのまにか日本航空に返却され、現在に至るまで公開されていない。もう一つは、相模湾にある機体の残骸を引き揚げて調査すること。離陸から12分35秒後、垂直尾翼に「異常外力」を受けて落下した機体の一部が水深160メートルに沈んでいることが、民間企業によって明らかにされている。だが、調査は行われていない。調査報告書と異なる不都合な事実を、大新聞やテレビは決して報じない。疑問は解明されないまま時間が過ぎていく。このままでは事件は忘れ去られてしまう。多くの犠牲者を出しながら、真相はうやむやのまま、なんの教訓も残せない。だから著者は何冊も「書かなきゃいけない」のだ。異論を唱える者を非難し、“陰謀説”と一蹴する前に、再調査すべきではないのか。 (三五館シンシャ 1870円)



















