週末オススメ本ミシュラン
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「なぜ日本のメディアはジャニーズ問題を報じられなかったのか」柴山哲也著/平凡社新書(選者:佐高信)
「なぜ日本のメディアはジャニーズ問題を報じられなかったのか」柴山哲也著 長嶋茂雄の死去を「朝日新聞」はじめ各紙が1面トップで報じたのにはショックを受けた。中村哲なら理解できるが、超保守派で黒い…
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「長嶋茂雄 永遠伝説」小林信也著/さくら舎(選者:中川淳一郎)
「長嶋茂雄 永遠伝説」小林信也著 長嶋茂雄さん逝去を受け、メディアは在りし日の偉業を称えるとともに「昭和が終わった……」と嘆いた。プロ野球を国民的人気に押し上げた華のある選手で、阪神ファンです…
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「教養としてのヨーロッパの王と大思想家たちの真実」副島隆彦/秀和システム(選者:佐藤優)
「教養としてのヨーロッパの王と大思想家たちの真実」副島隆彦/秀和システム 去年刊行された書であるが、現下混乱を極めているヨーロッパを理解するのに最適の作品なので、あえて紹介することにした。副島…
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「酒場とコロナ あのとき酒場に何が起きたのか」大竹聡著/本の雑誌社(選者:稲垣えみ子)
「酒場とコロナ あのとき酒場に何が起きたのか」大竹聡著/本の雑誌社 つい数年前のコロナ禍に自分がどうしていたかが驚くほど思い出せない。悪夢すぎて記憶にフタをしているのだ。何が悪夢って、人とのリ…
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「朝日新聞が財務省の犬になった日」大村大次郎著/夕日書房(選者:佐高信)
「朝日新聞が財務省の犬になった日」大村大次郎著 この刺激的な題名の本を私は森永卓郎の「発言禁止」(実業之日本社)で知った。大村は元国税調査官である。私は大蔵省(現財務省)の分割を主張し、匿名大…
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「ファスト化する日本建築」森山高至著/扶桑社新書(選者:中川淳一郎)
「ファスト化する日本建築」森山高至著 隈研吾氏が設計した、木で造った「那珂川町馬頭広重美術館」がわずか20年ほどで腐ってしまったということから本書は始まる。そして、昨今の日本の巨大プロジェクト…
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「ヒロシマへの旅」池田大作著/第三文明社(選者:佐藤優)
「ヒロシマへの旅」池田大作著/第三文明社 今年で、1945年8月に広島と長崎に原子爆弾が投下されてから80年になる。ロシア・ウクライナ戦争で核兵器が再度使用される危険がある状況で、ぜひ、読んで…
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「ホテル・ルワンダの男」ポール・ルセサバギナ著/堀川志野舞訳/ヴィレッジブックス(選者:稲垣えみ子)
先日ルワンダに行った。なぜルワンダかといえば、数年前から寄付している国際NGOの支援地域訪問ツアーに乗じただけで特段準備もせず出かけたんだが、にしても驚いたのは、かの国は実に穏やかで人は優しく、首都…
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「ゲッベルス」平井正著/中公新書(選者:佐高信)
「ゲッベルス」平井正著/中公新書 地面師ならぬ扇動師の立花孝志(「NHKから国民を守る党」党首)を見ていて、ヒトラーの宣伝マンだったゲッベルスを思い出した。もちろん、立花の方がずいぶん小型だが…
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「傷の声 絡まった糸をほどこうとした人の物語」齋藤塔子著/医学書院(選者:中川淳一郎)
「傷の声 絡まった糸をほどこうとした人の物語」齋藤塔子著/医学書院(選者:中川淳一郎) 自傷行為やオーバードーズ、拒食症、過食嘔吐、スクールカウンセラー、DV、家庭に居場所がない、家庭内別居、…
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「トランプの電撃作戦」古村治彦著/秀和システム(選者:佐藤優)
「トランプの電撃作戦」古村治彦著 古村治彦氏は、アメリカ政治の内在的論理をよく理解しているレベルの高い専門家だ。評者が信頼するアメリカ専門家である。 古村氏は、トランプ氏の大統領再登板…
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「赤と青のガウン オックスフォード留学記」彬子女王著/PHP文庫(選者:稲垣えみ子)
「赤と青のガウン オックスフォード留学記」彬子女王著/PHP文庫 話題の本と知っていながらなかなか手にするに至らなかったのは、二つ理由がある。一つは、グローバル化久しい現代に今さら留学記? と…
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「統一教会との格闘、22年」鈴木エイト著/角川新書(選者:佐高信)
先月、石橋湛山議員連盟の研究会に呼ばれた私は開口一番、「SUT」すなわち「世襲、裏金、統一教会」から最も遠かったのが湛山だ、と切り出した。これは議連に参加している自民党議員を刺激したようで、その代弁…
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「怖い日本語」下重暁子著/ワニブックス(選者:中川淳一郎)
「怖い日本語」下重暁子著 元NHKアナウンサーで文筆家の著者が、世にはびこる違和感のある言葉を提示し、その気持ち悪さを解説するとともに、日本社会の主体性のなさを批判する。話はテレビの「食リポ」…
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「シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方」新井紀子著/東洋経済新報社(選者:佐藤優)
「シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方」新井紀子著/東洋経済新報社 言語には、読む、聞く、話す、書くという4つの能力がある。その基礎となるのは読む力だ。読んでわからないことは聞いて…
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「対談集 ららら星のかなた」谷川俊太郎、伊藤比呂美 著/中央公論新社(選者:稲垣えみ子)
「対談集 ららら星のかなた」谷川俊太郎、伊藤比呂美 著 本との出会いは偶然の要素が大きく、書評欄はその偶然を成功に導くためのガイドなわけだが、ではその書評を書く人は一体どのように本と出会ってい…
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『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論(選者:佐高信)
『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論 兵庫県議会議員だった竹内英明を自殺に追い込んだ「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志がなぜ捕まらないのかと思…
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「お城の値打ち」香原斗志著/新潮新書(選者:中川淳一郎)
「お城の値打ち」香原斗志著/新潮新書 筆者は佐賀県唐津市在住だが、歴史通の翁と飲みに行くと力説されることがある。「唐津城はあかん。しょせんはコンクリート城じゃ。あげな形ではなかった」というもの…
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「みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識」鎌田浩毅、蜷川雅晴 著/講談社ブルーバックス(選者:佐藤優)
「みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識」鎌田浩毅、蜷川雅晴 著 高校で地学は正式の科目として設置されているにもかかわらず、履修する生徒が少ない。大学入試でも地学を選択する…
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「チェルノブイリの祈り 未来の物語」スベトラーナ・アレクシエービッチ著、松本 妙子訳/岩波現代文庫(選者:稲垣えみ子)
「チェルノブイリの祈り 未来の物語」スベトラーナ・アレクシエービッチ著、松本 妙子訳 本書は1997年に刊行され世界約30カ国で読まれており、著者は10年前にノーベル文学賞を受賞。要するに、知…