週末オススメ本ミシュラン
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「ガンディーの真実 非暴力思想とは何か」間永次郎著/ちくま新書(選者:稲垣えみ子)
「ガンディーの真実 非暴力思想とは何か」間永次郎著/ちくま新書 なぜ急にガンディーかといえば、インド旅帰りだから。他のどこにも似ていないフシギ大国インドのことがもっと知りたくなった。むろん本1…
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「協同労働がつくる新しい社会」永戸祐三著/旬報社(選者:佐高信)
「協同労働がつくる新しい社会」永戸祐三著 もう一度会いたかった。6月13日に初めて著者と会ったその対話はユーチューブで流れる「佐高信の隠し味」で見られるが、2歳下の永戸は7月に急逝してしまった…
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「昭和20年生まれからキミたちへ」稲熊均、嶋田昭浩著/世界書院(選者:中川淳一郎)
「昭和20年生まれからキミたちへ」稲熊均、嶋田昭浩著/世界書院 今年は敗戦から80年。それを受けて80年前の昭和20年(1945年)生まれの論客10人に彼らの人生を振り返ってもらう回顧録かつ、…
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「帝国陸軍 デモクラシーとの相剋」高杉洋平著/中公新書(選者:佐藤優)
「帝国陸軍 デモクラシーとの相剋」高杉洋平著/中公新書 旧大日本帝国陸軍(以下、陸軍と記す)の組織文化の変容について分析した好著だ。 昭和改元(1926年)前後の陸軍は、将校が大学卒の…
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「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」ドミニク・チェン著/新潮社(選者:稲垣えみ子)
「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」ドミニク・チェン著 私はおそらく日本有数の「便利」を疑っている人間である。原発事故を機に家電品をあらかた手放すという暴挙に出たところ人生がウソ…
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「ブラック郵便局」宮崎拓朗著/新潮社(選者:佐高信)
「ブラック郵便局」宮崎拓朗著/新潮社 小泉純一郎と竹中平蔵が組んで進めた「郵政民営化」に私は反対した。それが「民営化」という名の「会社化」だったからである。パブリックサービスの郵便事業に新自由…
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「タコ・イカが見ている世界」吉田真明・滋野修一 著/創元社(選者:中川淳一郎)
「タコ・イカが見ている世界」吉田真明・滋野修一 著/創元社 この4年間、趣味はイカ釣りとタコ取りになった。毎度、「なんかこいつら頭いいんだよな」と思う。2010年、サッカーW杯南アフリカ大会で…
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「科学的思考入門」植原亮著/講談社現代新書(選者:佐藤優)
「科学的思考入門」植原亮著/講談社現代新書 植原亮氏は、自然科学、人文・社会科学の双方を学ぶ人にとって必要な知識についてわかりやすく解説している。 大学生はもとより、中学校、高校で生徒…
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「パンクする京都 オーバーツーリズムと戦う観光都市」中井治郎著/星海社新書(選者:稲垣えみ子)
「パンクする京都 オーバーツーリズムと戦う観光都市」中井治郎著/星海社新書 先日、行きたい演奏会があり久方ぶりに京都へ。で、会場近くの京都河原町駅を降りた瞬間心底驚愕。そこに、かつて会社員時代…
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「なぜ日本のメディアはジャニーズ問題を報じられなかったのか」柴山哲也著/平凡社新書(選者:佐高信)
「なぜ日本のメディアはジャニーズ問題を報じられなかったのか」柴山哲也著 長嶋茂雄の死去を「朝日新聞」はじめ各紙が1面トップで報じたのにはショックを受けた。中村哲なら理解できるが、超保守派で黒い…
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「長嶋茂雄 永遠伝説」小林信也著/さくら舎(選者:中川淳一郎)
「長嶋茂雄 永遠伝説」小林信也著 長嶋茂雄さん逝去を受け、メディアは在りし日の偉業を称えるとともに「昭和が終わった……」と嘆いた。プロ野球を国民的人気に押し上げた華のある選手で、阪神ファンです…
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「教養としてのヨーロッパの王と大思想家たちの真実」副島隆彦/秀和システム(選者:佐藤優)
「教養としてのヨーロッパの王と大思想家たちの真実」副島隆彦/秀和システム 去年刊行された書であるが、現下混乱を極めているヨーロッパを理解するのに最適の作品なので、あえて紹介することにした。副島…
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「酒場とコロナ あのとき酒場に何が起きたのか」大竹聡著/本の雑誌社(選者:稲垣えみ子)
「酒場とコロナ あのとき酒場に何が起きたのか」大竹聡著/本の雑誌社 つい数年前のコロナ禍に自分がどうしていたかが驚くほど思い出せない。悪夢すぎて記憶にフタをしているのだ。何が悪夢って、人とのリ…
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「朝日新聞が財務省の犬になった日」大村大次郎著/夕日書房(選者:佐高信)
「朝日新聞が財務省の犬になった日」大村大次郎著 この刺激的な題名の本を私は森永卓郎の「発言禁止」(実業之日本社)で知った。大村は元国税調査官である。私は大蔵省(現財務省)の分割を主張し、匿名大…
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「ファスト化する日本建築」森山高至著/扶桑社新書(選者:中川淳一郎)
「ファスト化する日本建築」森山高至著 隈研吾氏が設計した、木で造った「那珂川町馬頭広重美術館」がわずか20年ほどで腐ってしまったということから本書は始まる。そして、昨今の日本の巨大プロジェクト…
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「ヒロシマへの旅」池田大作著/第三文明社(選者:佐藤優)
「ヒロシマへの旅」池田大作著/第三文明社 今年で、1945年8月に広島と長崎に原子爆弾が投下されてから80年になる。ロシア・ウクライナ戦争で核兵器が再度使用される危険がある状況で、ぜひ、読んで…
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「ホテル・ルワンダの男」ポール・ルセサバギナ著/堀川志野舞訳/ヴィレッジブックス(選者:稲垣えみ子)
先日ルワンダに行った。なぜルワンダかといえば、数年前から寄付している国際NGOの支援地域訪問ツアーに乗じただけで特段準備もせず出かけたんだが、にしても驚いたのは、かの国は実に穏やかで人は優しく、首都…
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「ゲッベルス」平井正著/中公新書(選者:佐高信)
「ゲッベルス」平井正著/中公新書 地面師ならぬ扇動師の立花孝志(「NHKから国民を守る党」党首)を見ていて、ヒトラーの宣伝マンだったゲッベルスを思い出した。もちろん、立花の方がずいぶん小型だが…
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「傷の声 絡まった糸をほどこうとした人の物語」齋藤塔子著/医学書院(選者:中川淳一郎)
「傷の声 絡まった糸をほどこうとした人の物語」齋藤塔子著/医学書院(選者:中川淳一郎) 自傷行為やオーバードーズ、拒食症、過食嘔吐、スクールカウンセラー、DV、家庭に居場所がない、家庭内別居、…
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「トランプの電撃作戦」古村治彦著/秀和システム(選者:佐藤優)
「トランプの電撃作戦」古村治彦著 古村治彦氏は、アメリカ政治の内在的論理をよく理解しているレベルの高い専門家だ。評者が信頼するアメリカ専門家である。 古村氏は、トランプ氏の大統領再登板…