著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<80>子どもの頃の遊び場は遊女の投げ込み寺 春になると八重桜が咲いていた

公開日: 更新日:

 ソメイヨシノじゃなくて、八重桜。八重桜はピンクの色が濃くて、湿度があるだろ。それで、なかなかしつこくて花が落ちない。生に対する未練というかね、オレにとって桜といえば八重桜なんだ。

 花を最初に本格的に撮ったのが、この浄閑寺の「彼岸花」だね。彼岸の頃って花がいっぱいお供えしてあるじゃない、それを1、2週間待って、枯れかけを撮る。その枯れかかってるのがよくてね。墓守と仲よかったから、「片付けないでくれ」って話をつけて、白いボードを持って行って、墓の前に立てかけて白バックにして、枯れかけの彼岸花を撮りまくった(<彼岸花>連載27に掲載)。すごいたくさんあるんだけど、やりだすと全部撮らなきゃいられないんだよ。撮るとなるとオレもしつこいからね。日が暮れるまで夢中で撮り続けたね。

(構成=内田真由美)

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