『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』「なぜ置き去り…」センチな歌を深める悪名高きストリングス
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アルバム『レット・イット・ビー』(1970年5月8日発売)⑥
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■『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード』
さぁ、いよいよ残り3曲。せっかくなので残りには、コレとアレとアレという有名どころを取っておいた。
まずはアルバム『レット・イット・ビー』を代表するセンチメンタルなバラード。ポールの作品。
↓………ここから続き………
「長く曲がりくねった道」が「君の扉へと続いている」と、普通に読めばラブソングである。
しかし「どうして置き去りにするのか」とか、「どうせ君には決して分からないだろう、いろいろと手を尽くしてきたということが」などの歌詞を見ていると、「道」がビートルズの歩みで、「君」が「ジョン」だと聴こえてくるようではないか。
いや、それでいいと思うのだ。それでこそ、この曲の味わいがグッと深まるのだから。
さて、この曲で最終仕上げを担当したフィル・スペクターがまた悪者になっている。というか、悪者扱いされたのは、主にこの曲がきっかけだったのだ。
ポールの弾くピアノを中心とした、淡々とした素朴な曲だったのに、スペクターがオーケストラや女声コーラスをふんだんに入れてしまったから、甘ったるくなり過ぎたという意見が、ファンの間で根強い。スペクターとオノ・ヨーコは、ビートルズファンから、本当に疎んじられている。
しかし、ここではほんのちょっとだけ、私はスペクターの肩を持ちたい。この曲のオーケストラはいいぞ、と。特に試聴リンク再生時間「2:25」からのストリングスの間奏は、身震いするほどの劇的な美しさだと思う。
逆に、例えばアルバム『レット・イット・ビー…ネイキッド』(03年)に入っているオーケストラなしバージョンは、まぁ、いいんだけど、何だか盛り上がりに欠けるような気がしてしまう。
「ジョン、なんで僕を置き去りにするんだよ」というセンチメンタルな歌には、これぐらいドラマチックなストリングスがよく似合うのだ。
ただ、スペクターさん、女声コーラスは要らなかったよ。コーラス隊、置き去りにしとけばよかったんだよ……。
よく知られているように、ポールは、スペクターのアレンジに憤慨したそうだが、それでも学ぶところはあったのではないか。というのは、ソロになってからの曲、例えば有名な『マイ・ラヴ』(73年)のストリングスなんて、この曲の続編のように聴こえてくるではないか。
そしてあと2曲。いよいよアレとアレ。
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