【ビートルズ何でもベスト3】④「歌詞」部門 喪失を宝に…25歳の曲が喚起する「老いて知る実感」
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今回は「歌詞」だ。先に評価基準を定めておく。私(59歳)より上の世代の人々が、今あらためて聴いて、グッと来そうな歌詞を探してみた。
1曲だけずぬけていた。なので「ベスト3」ではなく「ベスト・オブ・ベスト」として、この曲を紹介したいと思う。
■『イン・マイ・ライフ』(65年)
アルバム『ラバー・ソウル』収録の有名曲だが、年を取るごとに、この曲の歌詞は、いよいよ胸に迫ってくる。
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ポールとの共作説もあるが、ジョンが主導して書いたことは間違いない。
歌詞の詳細は、みなさんで確認していただきたい。一言でいえば、喪失した場所や人、日々を思う歌。
いろいろな人のいろいろな言葉を思い出させる歌詞である。
私が想起したひとつは永六輔が言っていた「人は二度死ぬ」という話。いわく、1回目の死はいわゆる(身体的)死。そして2回目の死は、その死者のことを誰も語らなくなったとき、だというのだ。
もうひとつは、NHK朝ドラの最高傑作『カーネーション』(2011年)の中のセリフ。
北村(星田英利、当時の芸名・ほっしゃん。)と糸子(尾野真千子)は、すでに年を取った設定。北村が東京での商売を持ちかけるのに対し、糸子が大阪岸和田に残ると伝える場面の会話より。
北村「お互いこの先、失くしてばっかしや。おまえが言うちゃった宝かて、どうせ一個ずつ消えていく。人かてみんな死んでいくんじゃ。おまえここにいちゃったら、一人でそれに耐えていかなあかんねんぞ。しんどいぞ、そんなもん」
糸子「ヘタレが。そんなもん分かれへんやろ。そもそもやな、失くす、失くすって何失くすねん? うちは失くさへん。相手が死んだだけで、なーんも失くさへん。決めたもん勝ちや。ヘタレはヘタれて泣いとれ。うちは宝抱えて生きていくよって」
年を取るということは、つまるところ喪失していくということ。平たく言えば、周囲の人は、どんどん死んでいくということである。
しかし喪失したものを思い、語ることによって、喪失したものを「宝」として抱えて、生きていくことができるのだ。
以上のような言葉を想起させる「喚起力」を持ったのが『イン・マイ・ライフ』の歌詞の凄みなのだと、ようやっと最近分かってきたのである。
ちなみにこの曲のリリース時、ジョンは何とまだ25歳だった。
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