「ここまで来られたのはアイツのおかげ」星野仙一監督の“情”が裏目に出た2003年日本シリーズ
「おまえたちのことはちゃんとして辞める」の後日談
情といえば、決戦前夜に星野監督が「おまえたちのことはちゃんとして辞める」と言った話には続きがある。星野監督の後任は内野守備走塁コーチの岡田(彰布)さんに決まっていた。
「長嶋、おまえは岡田の一軍コーチの構想には入っていない。二軍に行くことになるぞ。どうする?」
星野監督の「ちゃんとして」というのは、コーチ陣の「居場所」を決めてから現場を離れるという意味だった。
「ありがとうございます。実は、中日の監督に決まった落合(博満)さんから電話をいただきまして……。中日にお世話になろうと思います」
「そういう話は口約束だから、うやむやになって消えてしまうこともあるぞ。それでもいいのか」
星野さんの気遣いはうれしかった。
「落合監督が『おまえが必要だ』と言ってくれたので、その言葉を信じます。いろいろありがとうございます」
「わかった。頑張れよ」
よくも悪くも、闘将の人柄がにじみ出た2週間だった。


















