仰天野球㊙史
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魔術師こと三原脩監督の「究極の奇策」に相手チームの監督、審判までも目を丸くした
「えっ?」「おっ!」 相手チームの監督と審判が目を丸くした。 試合開始30分前、両軍監督が先発メンバー表を持ってホームベースに行き、それを審判に提出、相手と交換するおなじみの光景だが、…
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川上哲治から長嶋茂雄へ…プロ野球主役の座の交代を告げた「神様のスクイズ」
勝負の世界で主役交代ほどドラマチックな出来事はない。プロ野球の歴史を探ると、これこそ、と思う試合があった。 川上哲治から長嶋茂雄に球界ナンバーワンの座が移った象徴的な日、それは1958(昭和…
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約100年前、ナイターの事始めは黒人リーグだった…背景にエジソンの“大発明”
プロ野球に本格的なナイターの季節が訪れる。カクテル光線の下のグラウンドは美しい。この夜間試合は米国で始まり、仕事帰りの多くのファンが観戦することとなったことから球団に多額の収入をもたらした。 …
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韋駄天・福本豊の“盗打二刀流”伝説…通算1065盗塁はプロ野球記録「3大天文学的数字」の一角
プロ野球の記録で「3大天文学的数字」と語り伝えられているのが金田正一の400勝、王貞治の868本塁打、そして福本豊の1065盗塁である。各2位は米田哲也の350勝、本塁打が野村克也の657本、盗塁は…
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伝説的なヤジに反発した鈍足本塁打王・野村克也がホームスチール! 実は7度も本盗成功している
テレビの時代劇を見ていたら「火事と喧嘩は江戸の華」と懐かしいセリフ。これで思い出したのが「ヤジと乱闘はプロ野球の華」。昭和のプロ野球は個性派が多く、グラウンドでは力自慢に業師がゴロゴロ、遺恨試合はザ…
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豪傑・深見安博はシーズン中に放り出されてもパの本塁打王を手にした
巨人にリチャード、ソフトバンクに秋広優人。シーズン中のトレードが久しぶりに大きな話題となった。2人は将来の大砲候補と期待された選手だが、過去にはシーズン中に放り出されながら、その年に本塁打王のタイト…
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黄金の左腕、400勝投手・金田正一の獲得に成功した国鉄の尋常じゃない奇策
国鉄スワローズといえば? オールドファンなら即座にこう答えるだろう。「金田正一さ」と。そう、球界で「天文学的数字」と例えられる通算400勝を挙げた大投手である。 人呼んで、“黄金の左腕”“球…
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“国鉄”スワローズはなぜ、プロ野球経営に乗り出すことが可能だったのか
「総裁、プロ野球をやってみませんか」 「おお、西垣クンか。やるか」 この会話はJRの前身、国鉄がプロ野球セ・リーグ加入を決める際のやりとりだ。1949(昭和24)年11月7日、大阪から東…
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世紀のトレード仕掛けた伝説のスカウト“マムシの一三”…阪神・小山正明↔大毎オリオンズ山内一弘
この4月18日に亡くなった通算320勝の小山正明は、球史に残る“世紀のトレード”の主役だった。「針の穴を通すコントロール」との異名を取った阪神タイガースの大エース。交換相手は「シュート打ちの名人」こ…
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魚雷バットの理屈と重なる「流線形打線」…“魔術師”と呼ばれた名将が70年前に証明していた
開幕3連戦でヤンキースが1試合9本を含む15本塁打を放ったことで表舞台に登場した“トルピードバット”。日本でも注目の“魚雷バット”である。先端が細く芯が太い形状で、2023年に米国の物理学者だった人…
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なぜ東大は東京六大学リーグに加盟できたのか…そのまま6校だけで今年が創設100周年
「なに、帝大が加盟したい?」 どうする、と5大学が集まった。 「いいじゃないか」 積極的に歓迎の意を示したのは早大と明大だった。1925(大正14)年4月、東京帝国大学(以下、東…
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万引で逮捕された通算350勝・米田哲也から直接聞いた幻の巨人移籍
晩節を汚した、とはこのことだろう。史上2位の通算350勝を挙げた米田哲也の万引逮捕の愚行である。その理由が“生活苦”とは……。 その米田から直接、こんな話を聞いたことがある。 「オレな…
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公式戦出場ゼロながらあの背番号「1」「3」の両方を付けた幻の巨人選手
背番号にはドラマがある。巨人の「1」といえば王貞治、「3」といえば長嶋茂雄。巨人でその栄光の番号を両方とも背負った選手がいた。けれども、公式戦に1試合も出場していない“幻の選手”。実は天才プレーヤー…
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貧打解消を狙い文字遊びで球団名を変更…故・田村駒治郎オーナーの「とんでもエピソード」
プロ野球90年の歴史で「エピソード満載のオーナー」といえば田村駒治郎。“ラッパ”こと、あの永田雅一(大映映画社長)もかなわない。 大阪・船場の大店、繊維を扱った「田村駒」(たむらこま)の大旦…
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戦争犯罪者を収容「巣鴨プリズン」で行われた戦犯慰問試合…跡地はいまサンシャインシティに
今年は戦後80年。1945(昭和20)年3月の東京大空襲などを特集するメディアが見受けられるが、東京裁判(極東国際軍事裁判)で裁かれた戦争犯罪者(戦犯)を収容した巣鴨プリズンでプロ野球の試合が行われ…
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わずか4年で姿を消した「野球くじ」の歴史…八百長の危険性がどうしてもネックに
終戦の日本は復員兵の生き方が大きな問題だった。プロ野球界も同じで、復員選手の意思を尊重し、復帰希望者は速やかに選手登録をした。兵役に就いたときに所属していたチームがなくなっていた選手には新興球団に入…
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今度はオンカジ問題に揺れる“緩んだ”プロ野球界 新人研修制度がわずか2年で撤廃された理由
またか。今度はオンラインカジノ、ときた。大谷翔平の元通訳の事件が日本球界に飛び火してきた格好である。八百長試合、野球賭博、わいせつ行為……。振り返れば、プロ野球の不祥事がとどまるところを知らない。 …
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1936年は「二・二六事件」が起こり、7球団が出揃い、長嶋茂雄が産声を上げた
プロ野球は今年、公式戦がスタートしてから90年目になる。 その1936(昭和11)年は、あの内閣要人暗殺の「二・二六事件」が起きている。歴史の転換期ともなる不穏な世相の中、プロ野球界はどう行…
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試合途中にトレード、1日に異なる2球団で安打を放った 大リーグ唯一の「珍・怪」記録
大谷翔平はこの珍事を知っているだろうか。 1982年8月4日。メッツのジョエル・ヤングブラッドは、敵地・シカゴで行われたデーゲームのカブス戦に「3番・中堅」で先発出場した。三回表に2点タイム…
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大問題になった結婚式場での“クビ通告” 巨人は昔からやることがすごかった
「びっくりして腰が抜けそうになったぞ」 巨人OBのセリフだ。 何事かと言えば、結婚式に出席したその場で球団代表から、「来年は契約しないから」と通告されたのである。 1957(昭…