野村克也氏が吐いた捨て台詞「ファンとマスコミにちやほやされて、甘く生きている球団が勝つ方法」
甲子園で最後の巨人戦が終わると、星野仙一はジャイアンツのベンチ前で阪神を称えるため整列している原辰徳を手招きし、抱きしめた。5万近い観衆は、今、目の前で何が起きているのか、多分、わからなかったと思う。
2003年初秋。そのシーズン、星野は阪神に18年ぶりの優勝を誘導し、敗れた原は身を引くことをだれもが知っていた。敵将、それも巨人の監督の身を阪神の将が腕の中に抱いた。前代未聞の、星野の憎いまでの演出に場内は沸いたが、そこには、原というより巨人を睥睨するタイガースの留飲がみえた。
2リーグ制になって、最初に阪神に優勝(計2度)をもたらした監督・藤本定義も巨人戦になると味な脚本を書いた。監督の川上哲治が挨拶に来ると、「おい、テツ、負けに来たのか」とあしらった。阪神選手は目を点にする。藤本は彼らの巨人への劣等感をそんな腹芸で払いのけた。ついでながら藤本は巨人OBである。
阪神の歴史をみていると、フロントに物申す監督が極めて少ない。その中で吉田義男は頼りがいのない球団首脳に食ってかかった。


















