スポーツ時々放談
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ジャパンOPテニスが空前の観客動員を実現できた背景…手放しで喜べないスポーツ興行の深刻事情
男子テニスのツアー公式戦、木下グループジャパンオープンは盛況裏に幕を下ろした。 全仏と全米を制し、世界ランク1位に君臨するカルロス・アルカラスが初来日で今季8勝目。ファンは“世界の本物”のプ…
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錦織圭と西岡良仁の不調に共通する難題…男子テニスの〈パワー・精度〉は爆発的向上している
テニスの男子国別対抗戦(デ杯)の最終予選で、日本はドイツに0勝4敗で敗れた。 錦織圭を故障で欠いたが、相手もズべレフらトップ2不在の陣容。視界は良くない。 錦織に次ぐ西岡良仁(29)…
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女子テニスはなぜ肌の露出が大きいのか、なぜ賞金は男女同額になったのか
テニスの全米オープンが佳境に入り、38歳のジョコビッチが頑張っている。 黄金の3強時代が終わって若手の認知度は疑わしいが、テニス界は変わらぬ繁栄ぶりだ。 今年の全米の優勝賞金は昨年比…
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日本のマラソンに火をつけた山田敬蔵の思い出…戦後80年、忘れていけない足跡がある
毎朝、近くのコンビニに新聞を買いに行く。ネットは使い手主体だから情報が自分本位に偏るのだ。若い頃は人と会って考えを洗う機会もあったが、年を取ればそうもいかない。さまざまな話題が載る新聞は考えるヒント…
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大坂なおみは何を隠している?ドタバタに見えるコーチ交代は全米復活に向けた絶妙な戦略に違いない
古い話で恐縮だが、半世紀前に「ナオミの夢」という曲がはやった。 歌ったのはヘドバとダビデというおかしな名前の2人組で、軽快なアップテンポと外国人なまりの日本語が長いこと巷に流れた。繰り返され…
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誰が勝ったか分からない、不思議な日本のテニス報道の背景…専門誌は1誌になったが、悲観することもない
今年のウィンブルドンは興味深かった。 男子はイタリアのシナー、女子はポーランドのシフィオンテクが初優勝。獲得賞金は300万ポンド、円安も手伝い約6億円である。 1日前の女子決勝のレー…
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「伝統」に隠された夏スポーツの矛盾…気候も社会の仕組みも変わったのに“形”だけそのままだ
すごく暑い。折からの参院選では「負担増」などと言われ、高齢者につらい夏である。 そんな中、高校野球の地方大会が始まり、陸上競技の日本選手権も行われた。夏の高校野球は今年が第107回、日本選手…
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錦織圭「あり得ない不倫騒動」は“逆輸入アスリート”、日本社会をよく知らない日本人ゆえに起きた?
あれは1998年の夏、テニスの全米オープンで滞在していたニューヨーク5番街でのことだ。 コーヒーを飲んでいると、道の向こうを大柄な日本人が通る。メッツに在籍していた野茂英雄と吉井理人だ。振り…
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プロ野球の社会的地位を一変させた長嶋茂雄の存在意義をいま一度噛み締めたい
誰にでも長嶋茂雄との思い出が2つか3つはある。 私が報知新聞に入社すると、発行部数が落ち始めた。私のせいではない。入社は長嶋さんが現役引退した1974年だった。その年の暮れ、新宿伊勢丹で長嶋…
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瀬古利彦の師・中村清の没40年に思う昭和のマラソン「キミ、馬も人も同じだよ」
5月25日は中村清の没後40年の命日だった。 前日の午後、青山霊園を訪ねた。瀬古利彦を育て、日本のマラソンを頂点に導いた指導者は大変な頑固者だったが、その情熱なしに瀬古は世に出なかった。瀬古…
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「何かをやる女」大坂なおみに浮上の気配…生活面はともかくコート上のメンタルはめちゃくちゃ強い
テニスの4大大会第2弾、全仏オープンが近づいてきた(本戦は25日から)。 日本のニュースシーンからすっかり遠ざかった大坂なおみが、また面白くなっている。 現役では、イガ・シフィオンテ…
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錦織圭ツアー通算450勝にこれだけの価値…史上最強の「3強時代」にこの記録を刻み込んだ
錦織圭(35)がマドリード・オープン1回戦でツアー通算450勝を達成した。アジア出身選手では初、現役選手で8人目、快挙と言っていいだろう。 初勝利は2007年のインディアナポリス大会で、18…
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テニスの団体戦を愛するキング夫人はドジャースの共同オーナー 大谷獲得でも猛プッシュ
「テニスのワールドカップ」と銘打った女子テニスの国別対抗戦、BJK杯ファイナル予選が東京・有明で行われ、日本はルーマニアとカナダを下してファイナル(9月16日~、中国・深圳)進出を決めた。 5…
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マラソン日本を先導した寺沢徹さんを偲ぶ…あの「クラレ」の社名の由来となった昭和の顔
箱根駅伝の解説者・碓井哲雄さんがこんなことを言った。 「マラソンのオリンピック代表に東京出身者がいないんだ」 東京都町田出身の大迫傑が東京大会の代表になる前で、碓井さんは生まれも育ちも…
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時代遅れの陸連がひねくり出したマラソン代表選考の分かりづらさと後進性、違和感
国内のマラソンシーズンが終わり、来週、東京で開かれる世界陸上選手権(9月)の代表内定選手が発表になる──。 マラソンの代表選考は常に揉めてきた。すんなり決まったのは宗兄弟と瀬古利彦が代表にな…
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マラソン黄金期を牽引した双子ランナー宗兄弟の情熱と、合わせ鏡のような体感情報
今年の東京マラソンは、ゴール手前で見た。 「3時間」のペース周辺には外国人ランナーも多く、老若男女、ふざけた衣装と裏腹なひきつった顔など多彩な人間模様が続く。3時間も黙々と走れば、誰しも言葉に…
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日本陸連の呆れた体質…競歩・池田向希の「濡れ衣ドーピング処分」にまるで他人事
ドーピングで騒がしい。 テニスでは世界ランク1位、全豪オープン覇者のヤニック・シナーの処分をめぐり選手会が割れている。競歩の池田向希の処分確定はより身近で深刻だ。 東京五輪の銀メダリ…
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テニス錦織圭 これまで重圧だった国別対抗戦「デ杯」がモチベーションに様変わりした裏側
テニスの国別対抗戦デビスカップ(デ杯)が兵庫県・ブルボンビーンズドームで開催され、日本は英国に逆転勝ちした。 デ杯は6年前に方式が変わり、年末に最強8カ国を一堂に集める「ファイナル8」が開か…
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テニスの新時代を握るパワー 破損したネットが物語る肉体改造とサプリメント
中国語で「納豆」と書いてナダルと読む。「加油納豆」は納豆を炒めるではなく「頑張れナダル」ーーフェデラーに続き人気のナダルも引退し、テニス界は新時代に入った。全豪オープンでの変化をチェックした。 …
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箱根駅伝の「産学協同」…大学生が広告塔になっていいのか?「線引き」は明確にすべき
1976年のモントリオール五輪で1万メートルを制したのはフィンランドのラッセ・ビレンだった。27分40秒でゴールしたビレンは、履いていたシューズを高々と掲げて場内を1周した。オニツカタイガー、現在の…