スポーツ時々放談
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箱根駅伝は世界と無縁で半端な距離の真剣勝負 いまや国内頂点と世界挑戦の両立は難しい
沿道の人垣が途切れなかった──箱根駅伝はコロナ禍から完全に立ち直り、人出は主催者発表で105万人。上りが始まる箱根湯本駅前に人が出始めたのは2009年、東洋大初優勝の立役者・柏原竜二からだ。酒井俊幸…
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劇的に変化する世界のマラソン 「テレビを離れたランナー」はこれから沿道とどうつながるのか
今年も総勢7万人が参加した香港マラソン(1月18日開催)は、地元居住者限定のボーナスで知られていた。 3時間(女子は3時間半)を切った全員に1万香港ドル、約20万円! ところが、昨年から10…
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錦織圭の復活が見えてこない背景 会場どころかプレスルームの雰囲気まで異常に暗い
男子テニスの国別対抗戦、デ杯のファイナル予選が東京で開催され、日本はオーストリアに2勝3敗で敗れた。 錦織圭は代表入りしたものの、ベンチからの応援に徹していた。1月にキャンベラの下部大会で途…
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大相撲の懸賞金は高い安いの問題にあらず 観客との一体感を希求する努力への対価でもある
佳境に入っている全豪オープンは、男女ともトップ6シードがベスト8に進出。4大大会史上初という展開に、連日8万人近くの観客が押し寄せているそうだ。最高気温は45度だという。 地理的な利点から、…
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高校生が広告塔になるまでの複雑な駅伝史 実に見事な“本歌取り”には不安がはらむ
駅伝の季節だ。師走になれば毎週のように全国大会が感動の嵐を煽る。駅伝は日本固有の種目で、世界の陸上界とさほど関連はない。相撲は千秋楽で終わり駅伝はゴールで完結する。 全国高校駅伝のゴールで新…
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3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い
九州場所のふれ太鼓に続く沿道の小旗……博多の冬の風物詩・福岡国際マラソンはいまも実施されているが、世界選手権を自負した時代は遠く、瀬古、中山の熱いドラマが懐かしい。閑古鳥鳴くマラソン界にスペインから…
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日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい
慶応大学が横浜日吉にキャンパスを広げたのは昭和8年で、小泉信三がテニス部長から塾長に転身したその年、蝮谷テニスコートは完成した。マムシダニと読む。 皇太子(現在の上皇)の教育係になる小泉は軟…
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ダルビッシュの変貌に重なる大リーグの変化…スポーツは変わるから面白いのだ
今年も残りわずか。振り返れば、大谷、オオタニ、OHTANIの一年だった。オフには、巨人・岡本、ヤクルト・村上、西武・今井、楽天・則本ら有力選手が続々とメジャー挑戦を宣言と、変われば変わるものだ――。…
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大坂なおみは「日本人ファースト」をどう思うのか
ここ2、3年、故郷の仙台で大半を過ごしている。気候は温暖だが中途半端に都会的な街だ。 アジアの若者が増え、電車でミャンマーの若者に出会った。介護士の2人は恥ずかしそうに小声で話し、ずっと手を…
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スポーツ界に時代錯誤の事案が多発する根本原因…新聞社後援イベントは限界と危うさを孕んでいる
出雲駅伝が終わり、今週末には箱根駅伝の予選会が行われる。 「明治期におけるスポーツジャーナリズムの一断面」(渡辺勇一=広島経済大学論文集)を読みながら思い出したことがあった。1898(明治31…
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ジャパンOPテニスが空前の観客動員を実現できた背景…手放しで喜べないスポーツ興行の深刻事情
男子テニスのツアー公式戦、木下グループジャパンオープンは盛況裏に幕を下ろした。 全仏と全米を制し、世界ランク1位に君臨するカルロス・アルカラスが初来日で今季8勝目。ファンは“世界の本物”のプ…
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錦織圭と西岡良仁の不調に共通する難題…男子テニスの〈パワー・精度〉は爆発的向上している
テニスの男子国別対抗戦(デ杯)の最終予選で、日本はドイツに0勝4敗で敗れた。 錦織圭を故障で欠いたが、相手もズべレフらトップ2不在の陣容。視界は良くない。 錦織に次ぐ西岡良仁(29)…
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女子テニスはなぜ肌の露出が大きいのか、なぜ賞金は男女同額になったのか
テニスの全米オープンが佳境に入り、38歳のジョコビッチが頑張っている。 黄金の3強時代が終わって若手の認知度は疑わしいが、テニス界は変わらぬ繁栄ぶりだ。 今年の全米の優勝賞金は昨年比…
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日本のマラソンに火をつけた山田敬蔵の思い出…戦後80年、忘れていけない足跡がある
毎朝、近くのコンビニに新聞を買いに行く。ネットは使い手主体だから情報が自分本位に偏るのだ。若い頃は人と会って考えを洗う機会もあったが、年を取ればそうもいかない。さまざまな話題が載る新聞は考えるヒント…
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大坂なおみは何を隠している?ドタバタに見えるコーチ交代は全米復活に向けた絶妙な戦略に違いない
古い話で恐縮だが、半世紀前に「ナオミの夢」という曲がはやった。 歌ったのはヘドバとダビデというおかしな名前の2人組で、軽快なアップテンポと外国人なまりの日本語が長いこと巷に流れた。繰り返され…
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誰が勝ったか分からない、不思議な日本のテニス報道の背景…専門誌は1誌になったが、悲観することもない
今年のウィンブルドンは興味深かった。 男子はイタリアのシナー、女子はポーランドのシフィオンテクが初優勝。獲得賞金は300万ポンド、円安も手伝い約6億円である。 1日前の女子決勝のレー…
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「伝統」に隠された夏スポーツの矛盾…気候も社会の仕組みも変わったのに“形”だけそのままだ
すごく暑い。折からの参院選では「負担増」などと言われ、高齢者につらい夏である。 そんな中、高校野球の地方大会が始まり、陸上競技の日本選手権も行われた。夏の高校野球は今年が第107回、日本選手…
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錦織圭「あり得ない不倫騒動」は“逆輸入アスリート”、日本社会をよく知らない日本人ゆえに起きた?
あれは1998年の夏、テニスの全米オープンで滞在していたニューヨーク5番街でのことだ。 コーヒーを飲んでいると、道の向こうを大柄な日本人が通る。メッツに在籍していた野茂英雄と吉井理人だ。振り…
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プロ野球の社会的地位を一変させた長嶋茂雄の存在意義をいま一度噛み締めたい
誰にでも長嶋茂雄との思い出が2つか3つはある。 私が報知新聞に入社すると、発行部数が落ち始めた。私のせいではない。入社は長嶋さんが現役引退した1974年だった。その年の暮れ、新宿伊勢丹で長嶋…
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瀬古利彦の師・中村清の没40年に思う昭和のマラソン「キミ、馬も人も同じだよ」
5月25日は中村清の没後40年の命日だった。 前日の午後、青山霊園を訪ねた。瀬古利彦を育て、日本のマラソンを頂点に導いた指導者は大変な頑固者だったが、その情熱なしに瀬古は世に出なかった。瀬古…
