スポーツ時々放談
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プロ野球の社会的地位を一変させた長嶋茂雄の存在意義をいま一度噛み締めたい
誰にでも長嶋茂雄との思い出が2つか3つはある。 私が報知新聞に入社すると、発行部数が落ち始めた。私のせいではない。入社は長嶋さんが現役引退した1974年だった。その年の暮れ、新宿伊勢丹で長嶋…
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瀬古利彦の師・中村清の没40年に思う昭和のマラソン「キミ、馬も人も同じだよ」
5月25日は中村清の没後40年の命日だった。 前日の午後、青山霊園を訪ねた。瀬古利彦を育て、日本のマラソンを頂点に導いた指導者は大変な頑固者だったが、その情熱なしに瀬古は世に出なかった。瀬古…
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「何かをやる女」大坂なおみに浮上の気配…生活面はともかくコート上のメンタルはめちゃくちゃ強い
テニスの4大大会第2弾、全仏オープンが近づいてきた(本戦は25日から)。 日本のニュースシーンからすっかり遠ざかった大坂なおみが、また面白くなっている。 現役では、イガ・シフィオンテ…
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錦織圭ツアー通算450勝にこれだけの価値…史上最強の「3強時代」にこの記録を刻み込んだ
錦織圭(35)がマドリード・オープン1回戦でツアー通算450勝を達成した。アジア出身選手では初、現役選手で8人目、快挙と言っていいだろう。 初勝利は2007年のインディアナポリス大会で、18…
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テニスの団体戦を愛するキング夫人はドジャースの共同オーナー 大谷獲得でも猛プッシュ
「テニスのワールドカップ」と銘打った女子テニスの国別対抗戦、BJK杯ファイナル予選が東京・有明で行われ、日本はルーマニアとカナダを下してファイナル(9月16日~、中国・深圳)進出を決めた。 5…
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マラソン日本を先導した寺沢徹さんを偲ぶ…あの「クラレ」の社名の由来となった昭和の顔
箱根駅伝の解説者・碓井哲雄さんがこんなことを言った。 「マラソンのオリンピック代表に東京出身者がいないんだ」 東京都町田出身の大迫傑が東京大会の代表になる前で、碓井さんは生まれも育ちも…
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時代遅れの陸連がひねくり出したマラソン代表選考の分かりづらさと後進性、違和感
国内のマラソンシーズンが終わり、来週、東京で開かれる世界陸上選手権(9月)の代表内定選手が発表になる──。 マラソンの代表選考は常に揉めてきた。すんなり決まったのは宗兄弟と瀬古利彦が代表にな…
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マラソン黄金期を牽引した双子ランナー宗兄弟の情熱と、合わせ鏡のような体感情報
今年の東京マラソンは、ゴール手前で見た。 「3時間」のペース周辺には外国人ランナーも多く、老若男女、ふざけた衣装と裏腹なひきつった顔など多彩な人間模様が続く。3時間も黙々と走れば、誰しも言葉に…
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日本陸連の呆れた体質…競歩・池田向希の「濡れ衣ドーピング処分」にまるで他人事
ドーピングで騒がしい。 テニスでは世界ランク1位、全豪オープン覇者のヤニック・シナーの処分をめぐり選手会が割れている。競歩の池田向希の処分確定はより身近で深刻だ。 東京五輪の銀メダリ…
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テニス錦織圭 これまで重圧だった国別対抗戦「デ杯」がモチベーションに様変わりした裏側
テニスの国別対抗戦デビスカップ(デ杯)が兵庫県・ブルボンビーンズドームで開催され、日本は英国に逆転勝ちした。 デ杯は6年前に方式が変わり、年末に最強8カ国を一堂に集める「ファイナル8」が開か…
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テニスの新時代を握るパワー 破損したネットが物語る肉体改造とサプリメント
中国語で「納豆」と書いてナダルと読む。「加油納豆」は納豆を炒めるではなく「頑張れナダル」ーーフェデラーに続き人気のナダルも引退し、テニス界は新時代に入った。全豪オープンでの変化をチェックした。 …
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箱根駅伝の「産学協同」…大学生が広告塔になっていいのか?「線引き」は明確にすべき
1976年のモントリオール五輪で1万メートルを制したのはフィンランドのラッセ・ビレンだった。27分40秒でゴールしたビレンは、履いていたシューズを高々と掲げて場内を1周した。オニツカタイガー、現在の…
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箱根駅伝を無理に「世界」や「マラソン」と結びつけて感動を煽るヤボはいらない。駅伝は駅伝なのだ
中学生の孫に箱根駅伝ファンがいる。 女の子で各校の内情を細かく知っている。卒業生に興味はないただの駅伝好きだ。2度目の万博を迎える大阪で、学生と実業団の精鋭による「エキスポ駅伝」が開かれると…
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言葉を失ったオールドメディアへの“しんみり感”…「すごい」を言うために記録を引っ張り出す逆転現象にもシラける
目覚まし代わりのNHKラジオで興味深い話を聞いた。 エッセイスト・酒井順子さんの朝のエッセーが炎上したという──大谷翔平の非の打ちどころのない活躍に「しんみり感を覚える」と話したのだ。 …
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引退したナダルのパワーと闘志…「メンタルトレーニングをやっているか?」には驚きの回答も
男子テニスの国別対抗戦デ杯ファイナルズが進行中だ。 かつてのホーム・アウェー方式から変わって、今回は上位8カ国がスペイン南部のマラガに集結。優勝候補は新王者シナー率いるイタリアだが、最大の注…
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東京五輪銀・競歩のエースに“あり得ない”血液ドーピング…疑惑を晴らすのは陸上界の重要な仕事だ
池田向希(旭化成)のドーピング疑惑報道には驚いた。 競歩界のエース、東京五輪とオレゴン世界選手権のメダリストは、歩形の美しさで国際的にも知られ、例えるなら80年代の瀬古利彦のような存在だ。 …
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女子マラソンで2時間10分切り…日本は記録を追うより五輪一本に的を絞るしかない
マラソンの記録が伸び続けている。2時間切りが秒読みに入った男子に続き、女子でも記録が出た。 10月13日に行われたシカゴで、ルース・チェプンゲティッチ(ケニア)が2時間9分56秒で女子初のサ…
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錦織圭の復活と「脱亜入欧」からの脱却…《中国には大会を開きたい都市が100はある》
国内ファンの前で6年ぶりのプレー。「木下グループジャパンオープンテニス(以下=木下JO)」の錦織圭は面白かった。 1回戦で因縁のライバル、マリン・チリッチを下し、準々決勝で世界14位のホルガ…
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テニス「ジャパンオープン」変則日程の裏側…通常の日曜決勝から火曜決勝に
テニスの男子国別対抗戦デビスカップ(デ杯)で、錦織人気の健在は再確認された。 現在、世界ランク200位。それでもデ杯のコロンビア戦の初日は入場者数8780人、2日間ともチケット完売の賑わいだ…
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“多様性女王”大坂なおみの面目躍如…彼女にしかできないド派手衣装で登場、度肝を抜いた
暑さを引きずりながらテニスの季節が来た。 週末には国別対抗戦のデ杯に錦織圭が戻り、それが終われば「木下グループジャパンオープン」にけっこうな顔触れがそろう。続く女子ツアーの老舗・東レPPOは…