元大関貴景勝・湊川親方〈1〉「現役時代は自分中心でも、今は逆。難しいし、悩む時もあります」
NHKで大相撲中継の実況を長く務め、通称「しまなみ親方」として知られる吉田賢アナウンサーが、日本相撲協会の親方と対談する本企画。第2弾は今年1月から常盤山部屋を継承し、師匠となった元大関貴景勝の湊川親方。8月に30歳になったばかりの親方は、どんな指導をしているのか。(※対談の実際の様子は日刊ゲンダイ公式YouTubeチャンネルの「しまなみ親方の大相撲日刊ゲンダイ場所」から視聴できます)。
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吉田アナ(以下、吉田)部屋の師匠となって半年あまり経ちましたけども、なんかもうすっかり板についた感じですね。
湊川親方(以下、湊川)いやまあそうですね、本当に現役だった頃と比べて、ちょっと抜け殻になったっていうか……。小学校の時から勝負しているのが当たり前で、何をしていいかわからない日々もありました。引退して、なんかこう……虚無感というか、いろいろありました。
吉田 ある種の燃え尽き症候群的な。それはそうですよね。
湊川 ですけど、こうやって日本相撲協会に残らせていただいて、親方として力士を育てるという新たな目標ができたので、本当にやりがいを感じますね。
吉田 稽古場での指導など、現役時代と変わったところはありますか?
湊川 現役の時は本当にこう、いかに自己中心的になれるか。他の人のことは考えず、自分に全部投資して、強くなるために24時間どう過ごせばいいのか、と考えていました。引退すると逆に、周りを強くしなければいけない。マインドも全然違いますから。やっぱり弟子一人一人に性格や個性があって、技術を指導するタイミング、精神論を伝えるタイミングも人それぞれ違う。その楽しさ、難しさはありますね。
吉田 でもそう言いますけど、現役時代から弟弟子たちにアドバイスをしていたじゃないですか。
湊川 まあ、そうですね。(弟弟子へのアドバイスは)言わなくてもよかったといえばよかったんですけど、彼らも覚悟を決めて相撲界に入ってきている。やっぱり成功してほしいという気持ちはあったので、言ってあげられることは言おうかな、という気持ちでしたね。
吉田 師匠になったらそれが当たり前というか、指導の専門家になった。
湊川 力士が一番大切にしているもの、彼らが一番願っている一番の夢というのは、関取に上がって親孝行することだと思うんです。それに一番沿った教え方、指導の仕方というのを考えてやっています。なので厳しくはなっちゃうんですけど、心でこう、接するようにしてますね。


















