元関脇嘉風・中村親方〈4〉「番付は落ちだしたら早いぞ」 黙って見守る尾車親方からかけられたメッセージ
NHKで大相撲中継の実況を長く務め、通称「しまなみ親方」として知られる吉田賢アナウンサーが、日本相撲協会の親方と対談する本企画。第1弾は2024年6月に独立した元関脇嘉風の中村親方。今回は師匠である先代尾車親方(元大関琴風)との思い出などを語った(※対談の実際の様子は日刊ゲンダイ公式YouTubeチャンネルの「しまなみ親方の大相撲日刊ゲンダイ場所」から視聴できます)。
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吉田アナ(以下、吉田)親方の師匠の尾車親方、琴風浩一さんからは、かなりの影響を受けたのですか?
中村親方(以下、中村) そうですね、やはり師匠ですから。僕が断髪式をやった時……吉田さんに司会をやっていただいた時ですが、「生まれ変わってもまた力士になりたい」って言ったじゃないですか。そうした環境をつくってくれたのが(尾車)親方であり、おかみさんなんです。僕もそのやり方を心がけている。力士ファーストと言うと聞こえはいいですが、全部が全部、力士ファーストではないんです。それでも力士を優先できるならば優先する。
吉田 甘やかす、というわけではない。
中村 そうですね。でも、少々許せる甘えだったら受け入れてあげよう、というのは親方もおかみさんもそうでしたから。僕の現役中、親方はもう、僕にかなり言いたいことがあったんじゃないか、と思います。ヤンチャとか悪さをしたわけじゃないですが、「もっと稽古をしろ、もっとこうしろ」と言いたかっただろうな、と。
吉田 それでも随所随所で、嘉風の心に響く言葉をかけていました。
中村 囁くんですよ。親方が巡業部長だった(2012年の)春巡業の時ですね。僕はその頃、番付が幕内上位から下がってきて、直前の大阪場所も結構な大負け(3勝10敗2休)。そんな時、春巡業初日の伊勢神宮で親方に挨拶に行ったら、「おう、お疲れさん」と言った後に「もうこれで終わりか? 番付は落ち出したら早いぞ。せっかく上(幕内上位)で名前を覚えてもらったのに、このまま落ちて終わるのか」って。


















