元関脇嘉風・中村親方〈2〉「愛のムチ」が存在しない時代…稽古を午前・午後の2部制にしたワケ
NHKで大相撲中継の実況を長く務め、通称「しまなみ親方」として知られる吉田賢アナウンサーが、日本相撲協会の親方と対談する本企画。第1弾は2024年6月に独立した元関脇嘉風の中村親方。午前と午後、2部制の稽古を導入したきっかけとは──。
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吉田アナ(以下、吉田) 中村部屋では午後3時から土俵で稽古を行っています。そういえば、親方は現役時代の晩年、「我々が相撲を取るのは大体午後。だから午後の稽古の方が理にかなっているんじゃないか」と、話していましたね。
中村親方(以下、中村) 言ったことありますね。否定的な意見ではなく、これを言うと「講釈」って受け取られることもありますが、裏付けというか理由が欲しいんです。「なんでこれをやるのか」という意味付け。なんで朝ごはんを食べずに稽古をするんだろう? なんで1日2食なんだろう? と。ただ、「本場所では関取衆は夕方から相撲を取るから、中村部屋は夕方に稽古なんだ」と言う人もいましたが、実はそうじゃない。前回も言いましたが、朝とお昼、2回の栄養を体に行き渡らせた状態で稽古をしよう、という理由です。2部制にしたのも意味があるんですよ。
吉田 午前と午後の2回に分けた理由ですか?
中村 朝稽古は相撲界の常識。もちろん、午後からアジリティートレーニング、アスレチックトレーニングをする力士もいます。じゃあ、なぜ改めて2部制にしたかといえば、今は昔のようにきつい稽古をやりにくくなったから。コンプライアンスもそうですし、今は「かわいがり」という言葉もなくなった。
吉田 なくなりましたね。


















