ここがおかしい 小林節が斬る!
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「日の丸損壊罪」新設という違憲な発想 論敵を法律で黙らせたいだけの暴論だ
従来、自民党右派の人々は、「日の丸損壊罪」の新設を主張してきた。最近、議席を増やした参政党もそのことを主張している。 外国の国旗を損壊したら犯罪になる(刑法92条)のに、日本の国旗(日章旗)…
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日の丸と愛国心…参政党こそが誤解している
参政党の梅村みずほ参院議員が、日の丸と愛国心について語った。 参政党の街宣に抗議する人々が日の丸に大きな「×」をつけたものを掲げて叫ぶ姿を批判して、同議員は、それが愛国心に欠けた行為だと憂え…
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公人の靖国神社参拝と憲法の制約
毎年、8月15日の終戦記念日が近づくと、公人に対してメディアが「靖国に参拝するか否か?」を問うことが始まる。 かつて、ある公人は、「戦没者に哀悼の意を示して平和を誓うことのどこが悪いのか? …
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メディアを政府の広報機関にする気か…参政党は民主主義の本質が分かっていない
参政党の新日本憲法(構想案)16条2項は、「報道機関は、偏ることなく、国の政策につき、公正に報道する義務を負う」と規定している。 人類が、長い歴史の中で、試行錯誤の末にたどり着いた最良の政治…
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参政党の憲法案は「硬性憲法」ではない
参政党新日本憲法(構想案)33条は、憲法改正の手続きを定めている。 それによれば、①まず、衆参両院それぞれで総議員の過半数(2分の1超)の賛成で発議され、②つぎに、国民投票において有効投票の…
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参政党の憲法案では離婚が違憲になる? 憲法で道徳を語るべきではない
参政党憲法構想案7条は、「家族は社会の基礎であり、思いやりの心をもって互いに助け合う」と明記している。 結婚が社会の最小単位で、そこから社会が始まることは、社会学的な真実である。 結…
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参政党の人権論はあまりにも雑…専門家による整理が必要なのは明らかだ
参政党の新日本憲法(構想案)の人権「総論」(=通則)は、まず、「権理には義務が伴い、自由には責任が伴う」と明記している(8条)。これは、当然なことである。 ただし、これを「義務を履行しなけれ…
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参政党が語る「不文憲法秩序」という嘘 日本は成文法国である
参政党の憲法案には、驚くような非常識な前提がある。 それは、日本には天皇を中心とした大家族のような「不文の憲法秩序」つまり「今も続く国体」が存在する……という主張である。「イギリスは『不文憲…
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参政党の「国家主権論」…神谷代表は憲法の基礎知識がなさすぎる
7月14日にYouTubeチャンネルで、神谷宗幣・参政党代表は、同党の新憲法構想案4条で「『国家主権』と書いたから国民主権じゃないとは思っていない」と語った。 結論を先に言わせてもらうと、「…
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原爆投下を正当化するトランプの理性の欠如 核兵器は「禁じ手」だと肝に銘じるべきだ
6月25日、オランダで開催されたNATO首脳会議で、アメリカのトランプ大統領が、「第2次大戦中の広島・長崎への原爆投下は、被害が深刻で、あの攻撃が戦争を終結させた」という趣旨の発言をした。 …
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参政党の新憲法法案を読んで驚かされた 天皇主権という名の「内閣主権」だ
参政党が5月に新憲法草案を発表したと知らされて、改めて読んでみたが、驚かされた。 この国は天皇が「しらす」(知らす:「統治なさる」という尊敬表現)国であり(前文、1条1項)、内閣の責任におい…
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自民が「消費税減税はポピュリズム」と批判 利権政治で大衆を不幸にした者が言うな
自民党の森山裕幹事長が、参院選挙に向けて野党各党が消費税の廃止or税率の引き下げを主張していることについて、「ポピュリズム(非知性的な大衆迎合or扇動)の政治には陥ってはならない」と批判した。そして…
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「野党が数の力を笠に着て横暴を行った」…自民党議員が言うとは笑止千万
異常な物価高に苦しむ国民を支援しようとして、野党が共同で提出した「ガソリン税暫定税率を7月に廃止する法案」の審議入りを拒否していた、衆院財務金融委員長(当時)の井林辰憲・自民党議員が、6月18日、衆…
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山尾志桜里氏の公認取り消しは「公人の説明責任」の問題に尽きる
国民民主党は、山尾志桜里元衆院議員を来月の参院選の比例区候補として公認すると発表しておきながら、本人の出馬記者会見直後の両院議員総会を経て、公認を取り消した。これには、見ている側も、何かモヤモヤした…
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トランプとマスクが「権力者と献金」という政治の実態を教えてくれた
トランプ大統領と起業家マスク氏の蜜月関係の破綻は、私たちにとって教訓に満ちている。 昨年の米国大統領選挙に、突然、マスク氏が乱入した。400億円を超えるといわれる政治資金を投じて共和党とトラ…
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西田昌司議員の酷すぎる歴史認識(2)教育勅語についての重大な誤り もはや公人失格
西田昌司参院議員は、「月刊TIMES」2024年5月号の「日本人の価値観を取り戻す正しい歴史認識の涵養を!」という副題の一文の中で、次のような重大な誤りを語っている。 「(占領者アメリカは)日…
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西田昌司議員の酷すぎる歴史認識(1)嘘か誤解か? 公人として許されない
「月刊TIMES」2024年5月号を私は手元に残していた。「西田昌司の『Return to Japan』金科玉条の日本国憲法は占領の産物:日本人の価値観を取り戻す正しい歴史認識の涵養を!」という仰々し…
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少数派「優先処遇」は逆差別ではない その正当性は歴史的に実証済みだ
合衆国が英国から独立した際の大義名分は独立宣言(1776)に明記されている。それは、「『全て』の人間の自由と平等と尊厳」である。 ところが、その直後に制定された合衆国憲法(1787、1791…
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松下幸之助の憲法論に希望を見た 不毛な改憲護憲論争を超えて
私は、既に40年以上も改憲論議に参加してきた。しかし、最近では、その不毛な平行線のような論争にいささかうんざりしている。 改憲派は、「新しい時代に合った新しい憲法を」と言いながら、実際には、…
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愚かな国民は暴君を選び、暴君は国民を傷つける
合衆国憲法修正5条(1791年)は、「何人も正当な法の手続きによらないで権利を奪われることはない」と規定している。これについては、その後の最高裁判例の蓄積により、「何人も法律が定めた『公正な手続き』…