芸能界と格闘技界 その深淵
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2003年大晦日の格闘技中継は「勝者なき戦争」だった
2004年1月2日午前、谷川貞治の姿はFEGのオフィスにあった。視聴率調査会社・ビデオリサーチ社から朝一番で連絡が来ることになっていたためだ。 しばらく待っていると、オフィスにメールが届いた…
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日テレ上層部の身勝手通告「放映権料8億円のうち、2億円を減額させていただきます」
■エピローグ(3) 「イノキボンバイエ」主催者の川又誠矢の携帯電話に、特番プロデューサーである日本テレビ編成部の宮本修二から連絡が入ったのは大晦日の視聴率が発表された翌日の2004年1月3日のこ…
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2003年の大晦日はNHK紅白歌合戦が視聴率で裏番組に抜かれた「歴史に残る4分間」だ
正月真っただ中の2004年1月2日は、例年、業界関係者にとって、胃がきりきり痛む日である。視聴率調査会社であるビデオリサーチ社が、大晦日のテレビ視聴率を発表する日だからだ。ある者は、歓喜と安堵のはて…
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「イノキボンバイエ」主催者の川又誠矢 良知組に連れ回されて軟禁状態に
大晦日、大混乱の末に、どうにか興行を終えた「イノキボンバイエ」主催者の川又誠矢は、明けて2004年元日、午前中のうちに、新神戸から東京行きの新幹線に乗った。大会が終わった以上、神戸にもう用事はなく、…
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除夜の鐘を聞きながら、アントニオ猪木の一番長い大晦日は終わった
全試合が終了した猪木祭では、恒例の「108つビンタ」が行われていた。しかし、思うように参加者は集まらず、次第に不穏な空気が場内を支配するようになる。 マイクを握るのは、大会の顔であるアントニ…
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猪木自身がマイクを握り「恒例となりました108ビンタを始めましょう」と
神戸ウイングスタジアムで行われた猪木祭は、すべての試合が終わって「108つビンタ」が行われようとしていた。アントニオ猪木本人がマイクを握って言う。 「ボブ・サップの試合も裏で見てきました。曙が…
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リング上のアントニオ猪木が言った「それではカウントダウンまでお付き合い下さい」
神戸ウイングスタジアムで行われた猪木祭は、メインカード「藤田和之対イマム・メイフィールド」が23時前に終わって、ここからアンダーカード3試合が立て続けに行われたことはあまり知られていない。 …
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2003年NHK紅白の大トリは白組・SMAP 歌ったのは「世界に一つだけの花」
ボブ・サップの1RKO勝ちで幕を閉じたTBS「曙対ボブ・サップ」の裏で「NHK紅白歌合戦」はフィナーレに向かって怒涛のように進んでいった。 紅白初出場どころか、テレビ初出演となる紅組・倉木麻…
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倒れる曙…「『何でここでCMいくんだー』とびっくりしました」
日本中が注目する「曙対ボブ・サップ」だが、結果は1R2分58秒、ボブ・サップのKO勝ち。意外とあっけなく終わった。 「思ったより曙のパンチは速くて驚いた。この試合は異常な注目が集まっていたから…
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「『あちゃー』って思いました。前にも言ったように、僕としては曙に勝ってほしかった」
残り1分を切った頃、スタミナを振り絞って前進してきた曙に、ボブ・サップはローキック、左右のボディーフック、狙いすました右ストレートと面白いように攻撃を炸裂させた。 たまらず、曙はコーナーにも…
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いよいよ試合が始まる! 曙vsボブ・サップ戦は「K-1公式」打撃のみの3分3Rルール
懸案となっていたスティービー・ワンダーの国歌斉唱も、ハーモニカ演奏に着地して事なきを得た。ホノルルのマイク・タイソンが感心したように拍手を送る姿がスクリーンに映し出されると、場内がどっと沸いた。 …
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打倒紅白と4万人の大観衆「日本国国歌、君が代をお聴きください。独唱は小柳ゆきさんです」
ナゴヤドーム「K-1Dynamite!!」もメインイベント「曙対ボブ・サップ」。両者がリングに出揃ったところで、2分間イベントは中断された。ここで、テレビの生中継のCMタイムを挟み込んだのである。 …
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ついにメインイベント「曙対ボブ・サップ」! 会場は大歓声に包まれた
ナゴヤドーム「K-1Dynamite!!」もメインイベント「曙対ボブ・サップ」を直前に控え、放送席には豪華な面々が出揃った。 スペシャルキャスターの藤原紀香と長嶋一茂、ゲスト解説の貴乃花光司…
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2003年の紅白歌合戦、平井堅が坂本九のカバーをじっくり聴かせたその裏で…
「PRIDE男祭り2003」では、メインイベント「桜庭和志対アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ」が始まりつつあった。 渋谷のNHKホールでは小林幸子の“孔雀の羽”は広がらなかったが、さいたまスー…
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中邑真輔がK-1のリングを選んだのは谷川貞治たっての希望だった
ナゴヤドームで行われている「K-1Dynamite!!」のリングには新日本プロレスの至宝・IWGPヘビー級のベルトを保持する23歳の若きエース・中邑真輔の姿があった。相手はK-1ファイターのアレクセ…
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藤田和之の一本勝ちに「どんなルールでも相手に勝つ方法はある。それを証明した」
2003年の大晦日格闘技において、藤田和之ほど翻弄された選手はいなかっただろう。 11月の早い段階で猪木祭への出場を明言しながら、一向に対戦相手が決まらず、それでも12月9日から渡米し、ブラ…
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「紅白のために働いているようなもの」と語っていた小林幸子の歌唱中に起きたトラブル
豪華衣装を身にまとって「さそり座の女2003」を熱唱した白組・美川憲一が「ボブ・サップなんてイチコロよ!」と叫んだことは、いかにも紅白らしいハプニングであり、会場のNHKホールも、全国のお茶の間も盛…
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深紅のドレスの美川憲一が「ボブ・サップなんてイチコロよ!」
「NHK紅白歌合戦」は前半戦ラストの紅組・安室奈美恵「SO CRAZY」に次いで白組・森進一が「狼たちの遠吠え」を歌うと、楽曲の制作者である長渕剛がバックギタリストとして現れ、前半戦を豪華に締めくくっ…
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猪木祭を『全国ご当地ラーメンベスト100』に差し替える話は持ち上がっていた
「藤波、出てこーい」という猪木の呼びかけに応じる形で、新日本プロレス社長の藤波辰爾が舞台に姿を見せると、花道を小走りでリングに向かった。 リングインして師弟が向かい合う。思えば、1988年8月…
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「猪木が笑えば世界が笑う。会場、テレビをご覧の皆さん、燃えてますかーっ」
「ジョシュ・バーネット対セーム・シュルト」が白熱の好勝負の末に終わると、場内が暗転となった。そして、大音響でサンバのリズムが流れる。リオのカーニバルを思わせるダンサーがフィールドに繰り出し、これでもか…