公式そっくりな「ファンアート」がSNSで増加…「ちいかわ」二次創作騒動で思い出される2005年の「ドラえもん」同人誌回収問題
あくまでも、二次創作は同人誌即売会などでこっそりと行うものであった。言ってしまえば、「わかっている」人たちの内輪で楽しむものだったのである。一時期は、作者に見られてはいけないなどの暗黙のルールもあった。だからこそ、キャラが“あられもない”姿になるような奔放な表現も許されたといえる。
ところが、現在の二次創作の発表の場はSNSに移っている。つまり、世界中の不特定多数の目に触れられる環境なのだ。「ちいかわ」の二次創作も、同人誌即売会や仲間内だけで発表する分にはトラブルにはならないだろうが、SNSだとナガノ氏が手掛けた一次創作の世界観を尊重するファンの目にも触れかねない。
二次創作者はどうすればいいのか。手塚治虫の娘である手塚るみ子氏は自身のX上で、SNSにあがる手塚作品の二次創作に「厳しい目を向けたくない」としつつ、生前に手塚治虫が描いたものではない証として、「ご自身のサインなり印なりを入れて貰いたい」と述べている。手塚作品の二次創作は、絵柄を似せて描かれたものが目につくためだろう。
ナガノ氏が二次創作に対してどのような考えを抱いているのかは不明である。しかし、アマチュアがあまりに酷似した作品を制作するにあたっては、十分な配慮が必要と思われる。私的な二次創作は大いに行って構わないと思うのだが、ファンの誤解を招かないよう、発表の仕方については慎重であるべきではないだろうか。
(文=山内貴範)
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