ドムドムフードサービス 藤崎忍社長<1>専業主婦、居酒屋の女将を経て社長に

ドムドムフードサービスの藤崎忍社長（Ｃ）日刊ゲンダイ

　就職経験ゼロにもかかわらず、藤崎は一家の屋台骨を背負う必要に迫られた。

　そんな時、手を差し伸べてくれたのは、学生時代の友人だった。

「母が経営しているブティックで働かない？」

　藤崎は、ファッションビル「SHIBUYA109」にあるレディースカジュアル店の雇われ店長として働き始める。

　初めての勤務経験で分からないことだらけだったが、まずは主婦目線で仕事に取り組み始めた。

「店舗が汚かったので、清掃や片づけから始めました」

　試着室のカーテンが汚れていたのが気になり、自分で布地を購入して縫って取り換えた。

「店内をきれいに整えるだけで、売り上げが20％ぐらい上がりました」

　次には、どの商品が売れるのか、同じ商品でもどの色が売れるのか、どのような並べ方をすればお客の目を引くのかなどを調べて数値化、改善点を見つけ出していった。

　自らを不安症だと語る。