キコーナ 木下春雄会長(1)パチンコ店業界3位のグループを率いる創業者の紆余曲折
キコーナというパチンコ店を東京・大阪を中心に全国に展開するアンダーツリーグループ。約140店という規模は、パチンコ店業界で3位となる。若い従業員がダンスをするCMでも注目を集める同社を率いるのが、創業者である木下春雄会長(82)だ。ゴルフに熱中するあまり社長業をおろそかにする時期を経ながら、どのように今のポジションにたどり着いたのか。木下氏本人にその軌跡を聞いた。
木下氏は広島県佐伯郡五日市町(現在の広島市佐伯区)で、3人兄弟の末っ子に生まれた。父親は在日韓国人1世で、土木請負業を営んでいた。木下氏は在日2世となるが、30代で日本国籍を取得している。
「農家が点在する、自然豊かな田舎で育ちました。周りには同世代の子どもは少なく、友達は数えるほどしかいませんでした」と、木下氏。
町中の小中学校に通学した帰り、よく通ったという“川”が友達だったという。
川では魚を捕ったり観察したりしたほか、父親が働く河川改修の現場によく行った。作業がどう進んでいくのか見守るのが好きだった。