著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

大政翼賛会と皇国史観の継承の役を担わされた近衛文麿の悲劇

公開日：2022/07/04 17:00　更新日：2022/07/04 17:00

西園寺公望（左）と近衛文麿（Ｃ）共同通信社

　昭和15（1940）年7月に第2次近衛内閣を組閣してからの近衛文麿は、自分に欠けているのは、自らを政治的に補佐する与党勢力の確保と理解していた。そのため大政翼賛会を設立し、その国民的支持基盤を厚手にして内閣を強化するはずであった。ところが近衛のこうしたもくろみは根本から崩れてし…

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