われわれ社会の最大の敵は「忘却」だ 選挙前だからこそ過去の言動に光を
前回の本コラム〈敬称でも「アホの足立」はNGか あだ名を取り締まる学校現場の異常〉に対し、維新の会の足立康史が〈なんで参院選中に、私の過去の発言に光あてる必要あるかなー。よう分からん〉と引用ツイートしていた。「分からん」のなら教えよう。選挙前だからこそ、政党や政治家の過去の言動に光をあてる必要があるのだ。
人間の脳はすぐにものを忘れるようにできている。よって、過去を記録し、思い出すシステムが重要になる。津波が発生した場所に碑を建てるのもそれだ。ゲーテは〈真理というものは、たえず反復して取り上げられねばならないのだ。誤謬が私たちのまわりで、たえず語られているからだ〉と言った。過ちは繰り返される。おかしな人間が定期的にあらわれ、世の中をおかしな方向へ導いていく。だから、過ちに対する警告は、何度も繰り返さないとならない。
足立は基本的には言いっぱなし系のデマゴーグである。
加計学園問題に関する社説を書いた朝日新聞に対しては〈朝日新聞、死ね〉とツイート。国会では石破茂、玉木雄一郎、福山哲郎を名指しし「獣医師会から献金をもらっている」と批判、根拠を示さないまま「私は犯罪者だと思っています」と発言した。立憲民主党に対しては〈立民は北朝鮮の工作員〉とツイート。辻元清美に対しては「国交副大臣の時に(自治体に)補助金を配って(国有地購入費を実質)ゼロ円にした」と完全なデマを垂れ流した。