インフレ時代の資産防衛はストレスフリーな「オヤジの節約術」 経済評論家・山崎元氏に聞く

公開日: 更新日:

山崎元(経済評論家)

 物価高が止まらない。菓子や清涼飲料水、食用油にビール……。値上げされない商品を探すほうが難しいぐらいだ。今月下旬に公表された5月の消費者物価指数(生鮮食品除く)は前年の同月に比べ2.1%上昇。9カ月連続で前年を上回った。このインフレ下、生活をどう守ればいいか。「全面改訂 第3版 ほったらかし投資術」がベストセラーになっている経済評論家に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──長期化するウクライナ戦争に加え、過度な円安進行で物価上昇が続いています。給与が上がればいいのでしょうが、一部の大手企業を除くと収入アップは厳しい状況です。賢い生活防衛術とは?

 金融業界からみると、インフレ時の商材は2つあります。1つは老後不安、もう1つはインフレリスクです。物価は上昇しているのに、銀行に貯金してあるお金は超低金利のままだからほぼ増えません。預金しているお金の価値は実質的に目減りするので、投資したほうがいいと勧めます。大事なのはインフレでも基本的なお金の扱い方は変わらないということです。インフレでもインフレでなくても、お金はなるべく増やしたいし、ムダな支出はしないほうがいい。最近は雑誌などでも節約術の特集が目立ちますが、欠けている視点があります。「もっと稼ぐ」です。稼ぎを増やすにはどうしたらいいか。これが一番、建設的だし重要なポイントでもあります。

 ──どうやって稼ぎを増やすか……。簡単ではありません。

 大きく3つあると思います。副業、転職、そして自分の人材価値を高めるです。仕事に役立つ経験を積むのは大事です。それと「時間をうまく買う」も効果的。例えば、今より通勤時間が30分短くなる場所に住むと、1日に往復で1時間余裕が生まれます。その時間で残業や副業をしてもいい。睡眠時間を1時間多く取れば、頭の回転もよくなり、能率は上がるはずです。人間関係も大切です。外食をやめて節約しようとすると、人間関係は貧相になります。人材としての価値も向上しにくくなるでしょう。自分への投資で大事なのは、能力、経験、時間、人間関係。この4つにしっかり投資すれば稼ぐ力を高められます。

■関連キーワード

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 暮らしのアクセスランキング

  1. 1

    「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状

  2. 2

    参政党トンデモ言説「行き過ぎた男女共同参画」はやはり非科学的 専業主婦は「むしろ少子化を加速させる」と識者バッサリ

  3. 3

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 4

    東京・荒川河川敷で天然ウナギがまさかの“爆釣”! 気になるそのお味は…?

  5. 5

    参政党さや候補のホストクラブ投票キャンペーンは、法律的に公選法違反になるのか

  1. 6

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  2. 7

    「イネカメムシ」大量発生のナゼ…絶滅寸前から一転、今年も増加傾向でコメの安定生産に黄信号

  3. 8

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 9

    コメどころに異変! 記録的猛暑&少雨で「令和の大凶作」シグナルが相次ぎ点灯

  5. 10

    「関東大震災」「阪神大震災」「東日本大震災」発生時のジンクスにネットがザワめく複雑理由

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」