パチンコ依存「予防」で安心、楽しめる娯楽へ
取り組みと啓蒙活動への着手を大手ホール5社が共同声明
パチンコ依存に対し、射幸心を煽らないよう機種を規制するメーカー側の動きは知るところだが、ホール側はどうだろうか。ファンの心理や売り上げのことを思えばプレーを抑制する行為は極力避けたいところか……。いや、むしろ健全な娯楽として社会に認知され文化を根づかせることの方がファンのためであり業界の未来のため。こうした考えのもと、業界をリードする大手ホールが動き出した。
1月30日に大手ホールチェーンであるダイナム、マルハン、ひまわり、ニラク、夢屋の5社の代表とホールスタッフが集結し声明が出され、対策案を練るための合同セッションが行われた。日頃は鎬を削るライバル同士だが、業界の未来のためにここは一致協力。依存問題に詳しいNPO法人代表の西村直之氏による講演の後、55人のホールスタッフがグループディスカッションで対策について議論した。
声明の内容は「ホール法人の責務として5社の店舗スタッフ全員が依存対策を実行し、さらに全国のホールが取り組めるよう先頭に立ち牽引する。そのスタートとしてこの日の模様を動画サイトで一般公開し誰もが学習・行動できるようにする」というもの。
セッション後、発表されたケーススタディに沿った対策アイデアは実に豊富で、解決の可能性が見えるものだった。依存か否かは自分では判断できないことが多く、深くのめり込む前に気づかせて自己管理をサポートすることが重要になる。それができるのはやはりホール現場のスタッフだけだ。機種規制は行き過ぎればユーザー離れにも繋がり、諸刃の剣ともなりかねない。長く親しまれてきたパチンコが今後も楽しいものであり続けるためにも、5社の取り組みの成果に期待したい。