叡明(埼玉)中村監督「あくまで地元に特化したい。全国から選手を集めることは全く考えていません」
7日津田学園(三重)と対戦する叡明の中村要監督(51)は、2019年8月の就任から6年で初の甲子園切符を手にした。以前は同じ埼玉の強豪・浦和学院で7年間コーチを務め、春夏6度の甲子園出場の経験がある。強豪校が集う激戦区の埼玉大会をいかにして勝ち抜いたのか。
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──花咲徳栄、浦和学院といった全国から逸材をかき集める優勝経験校が君臨する激戦区の埼玉大会を勝ち抜いての初出場。勝因は?
「なんでしょうかね……。10回やったら1回しか勝てないかもしれないですけど、その1回が今回だったんじゃないですかね。(ライバル校の)強力な打線、投手、経験値、チームの雰囲気……を考えると、そうなるんじゃないかと」
──叡明はメンバー全員が自宅から通う地元出身選手。寮も室内練習場もサブグラウンドもなく、不利な環境です。
「そもそも、メンバー、メンバー外という考え方は僕にはありません。全員が平等に同じ練習をすることで、チーム一丸の全員野球が作り上げられる。そこから、目に見えない力を生み出す。それが源になっているのかなと思います。ベンチ入りメンバー20人ばかりが野球をやって、あとは球拾い……というのは、そもそも高校野球ではないし、全員野球にはならない。僕は生徒を指導するにあたり、父親のつもりでやっている。自分の子が不当な扱いを受けたらどうだろうかと考えると、特別扱いはできません」