グーグルに全裸をさらされたアルゼンチンの男性が勝訴!賠償金は173万円に
アルゼンチンの男性がグーグルストリートビューのカメラにより、自宅の庭で裸の姿を撮影、公開されたことから、プライバシーの侵害を訴えてグーグルを提訴した裁判に注目が集まっている。7月29日の控訴審で、裁判所はグーグルに1600万アルゼンチンペソ(約173万円)の賠償金を支払うよう命じたのだ。
問題が起きたのは2017年。ブエノスアイレス郊外ブラガドで、ストリートビュー撮影車(写真=公式サイトから)が通過した際、男性警察官が自宅の庭で裸でいる姿が撮影された。グーグルは男性の背中とお尻を捉えた映像をグーグルマップ上で公開。また画像には男性の自宅の住所が鮮明に写っており、男性の身元はすぐに特定されてしまった。
男性の画像はSNSや地元メディアを通じて急拡散。男性は近隣住民や同僚から嘲笑され、仕事や日常生活で屈辱的な状況に追い込まれた。男性は「尊厳が傷つけられた」と主張し、19年にグーグル・アルゼンチンに対して訴訟を起こした。
1審では男性の訴えは退けられたが、控訴審では、グーグルが男性の体や住所に「ぼかし」をかけず、特定可能な状態で放置していたことなどを理由に、裁判所は「プライバシー保護の義務を怠った」と判断。男性の尊厳を「著しく侵害した」と結論づけた。