小林節「自民党改憲草案を糺す」
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                         「中立」を口実に政治的言論を封殺しかねない行政兵庫県高砂市等「2市2町」の九条の会の依頼で10月23日(日)、加古川市内で行われた「第11回平和と文化のつどい」で講演を引き受けた。テーマは「自民党改憲草案の意味するもの」である。 ところ… 
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                         広告費は“無制限”…憲法改正「国民投票法」の落とし穴ジャーナリストの川喜田研氏と今井一氏から手紙を受け取った。内容は極めて重要でありながら広く知られてはいない事実を指摘しているので、ここでまずその趣旨を紹介したい。 ▽安倍政権による「改憲」の動… 
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                         違憲状態がなぜ有効なのか 問われる「憲法の番人」の自覚憲法は以下のように明記している。まず、「すべて国民は法の下に平等で政治的関係において差別されない」(14条)。また、「両議院の議員の選挙人の資格は法律でこれを定める。但し、差別してはならない」(44… 
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                         <番外編> 議員不要の「有識者会議」政治は明白な違憲だ天皇の生前退位を認めることについて、もはや国民的合意が形成されていることは明白である。しかし、今回の件で内閣との連携が不十分で責任を取らされたといわれる風岡前宮内庁長官の「内閣官房にはできるだけ優先… 
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                         なぜ1回限りにこだわる 特例法でも皇室典範の改正が必要今上天皇陛下の生前退位について、いまだに難点が指摘されている。 最大の難点は、退位の条件を詳細に定めないと乱用される懸念があり、それを詳細に定めたいが難しい……ということのようである。しかし… 
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                         <番外編>天皇・皇族にも「人権」はある天皇の生前退位を巡って、「退位の自由」を認めれば「即位を拒む自由」も認めなければ筋が通らず、そうなれば天皇制が不安定になる……という難点が指摘されている。 それは、突き詰めていくと、天皇およ… 
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                         <番外編> 表現の自由に例外設けるのは中国憲法と同じ構造8月31日の朝日新聞紙上の意見広告を見て驚いた人は多いようだ。それは、「自民党改憲草案は、言論の自由を否定し、北朝鮮のような国をつくろうとしている」という趣旨のものだからである。しかも、その文責が、… 
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                         <第14回>自衛隊の主たる任務を災害救助だと嘘をつく政府憲法改正の議論では、「自衛隊」と「国防軍」の問題が必ず論点になる。だが、政府や自民党は、これがあえて論点にならないよう、常にはぐらかそうとしてきた。しかし、国防は賛否両論ある話なのだから、真摯に真正… 
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                         <第13回> 憲法尊重義務を負う国民を政権が管理する異常自民党の改憲論者が口を揃えて語ることのひとつに、現行憲法の前文は「悪文」だという主張がある。確かに、あの翻訳調の前文が日本語として美しいか否かは議論のあるところであろう。しかし、法文としての価値はま… 
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                         <第12回> 日の丸と君が代は国民的合意が形成されていない平成11(1999)年に国旗・国歌法が制定された。それまでは慣習法上の国旗・国歌とされていた日の丸と君が代については、それらには法的根拠がないとする国民が多く、紛争が絶えなかったために、それらに法的… 
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                         <第11回>改憲要件を過半数にすることは「憲法の否定」だ現行憲法の96条は、国会が憲法改正を発議する条件として「各議院の三分の二以上の賛成」を要求している。ところが、自民党改憲草案の100条は、「両院それぞれの総議員の過半数の賛成」で改憲を発議できる……… 
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                         <第10回> 権力を固定化するため選挙制度にも手をつける現行憲法の47条は、「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める」と規定している。確かに、それは議院の存立の根本にかかわる事項である以上、国会が自律的に決めるべき事… 
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                         <第9回> 個性的自立を認めない人権否定の憲法観現行憲法の13条では「すべて国民は『個人』として尊重される」となっている。ところが、自民党改憲草案の13条では「全て国民は『人』として尊重される」と書き直されている。これは単に「個人」が「人」に変わ… 
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                         <第8回>「三大義務」だけが現行憲法に明記されている理由自民党改憲草案12条は「……自由及び権利……を濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない」と規定している。 まず、「権利を濫(乱… 
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                         <第7回>改憲は不要 天皇の生前退位は難しい問題ではないこの連載では自民党の改憲草案の問題点や私なりの対案を書くつもりだったが、その途中でにわかに浮上してきたのが天皇陛下の生前退位の問題だ。内閣法制局は生前退位には改憲が必要と指摘し、この問題が一部の改憲… 
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                         <第6回>軍事大国目指す新9条案の三は徴兵制の根拠になる自民党改憲草案9条は、「平和主義」というタイトルで、その1項で、「国権の発動としての戦争を放棄」し、かつ、「武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段(つまり、国際法上の用語として「侵略… 
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                         <第5回>必要なのは“緊急事態条項”でなく自治体の権限強化自民党改憲草案の98条は「緊急事態の宣言」である。それによれば、戦争、内乱、大規模災害が発生した場合に首相は緊急事態を宣言できる。そして、同草案99条によれば、その宣言の「効果」として、首相は国会に… 
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                         主客転倒な改憲草案 権力者による主権の簒奪は許されない自民党改憲草案の最大の問題点(欠点)は「憲法」の意味、定義、役割を変えてしまっていることである。 同草案102条は、1項で「全て国民は、この憲法を『尊重』しなければならない」と規定し、2項で… 
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                         野党が「及び腰」だから憲法問題に国民の理解が深まらない自民党は憲法改正を目的として結成された政党である。だから、1955年の結党以来一貫して、同党は自主憲法の制定を追求してきた。 その自民党は、既に平成24(2012)年4月に日本国憲法全文の改… 
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                         <第2回>あまりに多くの壁が反権力の政治参入を拒んでいる憲法を守るための政権交代を実現するためにはどうしたらいいのか。私は自・公の選挙協力に学んで、野党も選挙協力をしなければ現行選挙制度の下では勝ちようがない……と主張し続けてきた。 一昨年の春か… 

 
                             
                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                     
                     
                     
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
                                 
         
         
         
         
         
         
        