現役時代から遊び人で酒と女が好き。ゴーイングマイウエイ。猫と同じよ。好きなように生きる
前身となる阪急軍から数え、来年で球団創設90周年を迎える阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)。当時のパを代表する名手を幾人も輩出する中、ひときわ異彩を放っていたのが森本潔だ。球界から突如消えた反骨の打者の足跡と今を、ノンフィクションライターの中村素至氏が追った。
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帽子からはみ出したパーマのかかった長髪、ヒゲ面にサングラスをかけた不敵な面構え--1970年代のプロ野球を知る人たちが、「森本潔」と聞いて真っ先に思い浮かぶイメージだ。
2026年に球団創設90周年を迎える阪急ブレーブスの黄金時代に、不動のレギュラー三塁手として君臨。打順は主に5番だったが、ここ一番のチャンスには滅法強く、「陰の4番打者」のようなクラッチヒッターだった。
日本シリーズなどの短期決戦には底力を見せ、阪急が初めて日本シリーズで巨人を破り日本一となった年は、3勝3敗で迎えた第7戦、逆転2ランで試合を決めた。
一方で、異端児的な存在であり、監督に造反して謹慎処分を科せられた事件や奔放な私生活とも相まって、昭和のプロ野球を代表する豪放無頼な個性派選手だった。


















