契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化
ミスターのために勝て──。
去る6日に都内のホテルで行われた巨人のOB会総会。ソフトバンクの王貞治球団会長ら67人が出席した会で、阿部慎之助監督(46)がOBからゲキを飛ばされた。
リーグ優勝した阪神に15ゲーム差の3位に沈んだ今季は、6月に長嶋茂雄終身名誉監督が89歳で死去した。現役時代に長嶋氏と「ONコンビ」を組んで巨人をV9に導いた王氏は「長嶋さんのためにもとかね。来年は何をさておいても、絶対勝つんだと。来年大いに期待したい」とスピーチ。阿部監督は「OBの皆さま、ファンの皆さまに今年は非常に悔しい思いをさせてしまった。その責任はすごく重く感じています。2012年以来の日本一を目指してやるしかない。前に進みます。阿部慎之助らしく信念を持って、シーズンを貫き通すことをお約束します」と呼応したが、さる巨人OBがこう言った。
「巨人は6月3日の訃報の日から3連敗を喫し、連敗が今季ワーストの5まで伸びました。8月16日には本拠地・東京ドームで追悼試合として、巨人のメンバー全員が長嶋さんの背番号3をつけて試合に臨んだものの、阪神の森下翔太に2ランを打たれ、打線は村上頌樹に2安打で完封負け。阿部監督は『恐れ多いくらい。3をつけていいのかという思いもあるし、長嶋さんを象徴する番号なので、みんな重圧に負けちゃったかな』と話していた。長嶋さんが亡くなって以降、『今年はミスターのために、何が何でも優勝して』とOBやファンにプレッシャーをかけられながら戦っていた。巨人というチームで監督をやる以上、勝たない限りは来季もミスターの呪縛から逃れられません」
ミスターのプレッシャーだけではない。愛弟子で大物OBの松井秀喜氏(51=ヤンキースGM付特別アドバイザー)の存在もある。
訃報を受け、米ニューヨークから緊急帰国し、長嶋宅に急行した際、「どういう形で次の世代に継承していくか、はっきりした形は見えませんが、長嶋さんと生前に約束したこともあります」とミスターの背中を追う覚悟を示したことで、「ゴジラがようやく巨人の監督就任の決意を固めた」とファンだけでなく、球団やOBからも待望論が巻き起こっていた。前出のOBが続ける。


















