声優・講談師の麻上洋子(一龍斎春水)さん 童謡詩人・金子みすゞの伝承イベントをライフワークに
「最近のアニメはスピードが速すぎて大変なの」
声優のほうは?
「最近のアニメは展開のスピードが速くて、ついていくのが大変(笑)。なので、1対9とか2対8の割合で、講談の活動のほうが多いです。都内での定席が月1回、地方に呼ばれることも多いんですよ。実は、コロナの流行で自宅から出られなくなったとき、以前から痛かった変形性股関節症の痛みが強くなり、歩くこともままならず、もうお仕事は続けられないかなと思ったんです。でも、22年にNHKの『ラジオ深夜便』で『金子みすゞ伝』を読んだとき、講談の前説“詩の発掘の経緯”に行き違いがあった。これは正しく伝える責任が私にもあると、『金子みすゞ甦りの伝承』をシンガー・ソングライターや落語家とコラボするイベントに発展させたんです。股関節はこの夏秋に手術し、今一生懸命リハビリしています」
母親は8年前に93歳で亡くなり、姉、そして33歳で結婚した映像クリエーターと3人暮らし。子どもはいない。
「食事も話も、起き上がることもできなくなった母を、自宅で姉やお医者さん、ヘルパーさん、ケアマネさんたちとチームを組み介護しました。仕事はセーブしましたが、全然イヤじゃなかった。最後は母の両脇に姉と私が並んで寝て……母はその夜、息を引き取りました。これからはSNSでファンとの交流を楽しみながら、私を支えてくれている家族や地元の方たちに、恩返しする活動もしていきたいと思っています」
(取材・文=中野裕子)
▽麻上洋子(あさがみ・ようこ) 1952年7月10日、小樽市生まれ、神奈川県藤沢市育ち。県立鎌倉高校卒業後、「黒沢良アテレコ教室」に通い声優に。74年、「宇宙戦艦ヤマト」のヒロイン・森雪役で人気を博し“アイドル声優”のハシリに。92年、人間国宝の講談師・一龍斎貞水に弟子入りし、一龍斎春水として講談師としても活躍中。10月31日、練馬文化センターでトークショー「声優伝2」出演。



















