落語
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「親父に言われたことを思い出します。『野次馬根性で、何にでも興味を持たなくちゃいけない』と」
紙切り芸人はお客から注文を受ける。どんな題が出るのかわからない半面、定番の注文も多い。 「定番はその年の干支と季節の風物詩ですね。1月は『お正月』、3月は『おひなさま』、4月は『お花見』で5月は『こいのぼり』といったあんばいで...
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落語界最大の話題は五街道雲助の人間国宝認定…本人は「『誰がですか?』と聞き返しましたよ」
今年、落語界最大の話題は、五街道雲助が重要無形文化財、通称「人間国宝」に認定されたことであろう。東京の落語家では、柳家小さん、柳家小三治に次いで3人目である。 まずは、その知らせをどのように受けたのかを語ってもらおう。 ...
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人気落語家 柳家さん喬に学ぶ“笑い”の流儀…「落語でも間が大事。間は呼吸です」
人気落語家の柳家さん喬師匠が自身の「仕事論」ともいえる「柳家さん喬『笑い』の流儀」(ビジネス社)を上梓。本書の編集協力を務めた売文家の甘粕代三氏が読みどころを解説する。 ◇ ◇ ◇ 含羞の江戸落語第一人者が初めて...
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「笑点」卒業・林家木久扇の後任めぐり蠢く各協会の思惑…春風亭昇太は“司会利権”で増員画策
国民的人気演芸番組「笑点」(日本テレビ系)からの卒業が決まった林家木久扇(85)の後釜を巡って、キャスティング調整が揉めに揉めているという。 「9月から来年3月の卒業まで半年近くあるはずなのに、調整が間に合わないというんです」...
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真打ちがタレントにいじられても「テレビと落語は別物と割り切ってましたから」
こぶ平の真打ち昇進は1987年。入門わずか9年のスピード出世だが、これには込み入った事情がある。 「当時、落語協会には真打ち昇進試験がありまして、抜擢で三木助さん(先代)が先に昇進してます。僕も抜擢で受験しました。演じたのは『...
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こん平師匠に「うちの師匠は下ネタを嫌ったんだ。それを倅がやるとは何事か」と迫られた
1980年9月20日、先代林家三平が亡くなった。こぶ平はまだ前座である。 「父親と師匠、いっぺんに亡くしました。最後のテレビ収録で、新作の『源氏物語』をやったのですが、体力が弱ってますから、めちゃくちゃな出来でした。それでもや...
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親父は「〇〇ちゃん」と呼ばれる芸名がいいと考え、「こぶ平」に
正蔵は中学2年の時に、古今亭志ん朝の落語に魅せられ、独演会に出かけた。 「トリで演じたのが、『花見の仇討』でした。素晴らしかったです。それで父(先代三平)に、志ん朝師匠に弟子入りしたいと言ったら、困った顔をしました。『志ん朝さ...
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(1)来年は落語協会創立100周年、記念行事の実行委員長としてイベント企画を思案中
林家三平(先代)の長男として生まれ、祖父の名跡を襲名した9代目林家正蔵。「こぶちゃん」と呼ばれたこぶ平時代のイメージを持つ方も多いが、現在は落語協会副会長の重責にあり、寄席にも精力的に出演している。スター落語家の息子であるが故の苦労...
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「SWAのメンバーは創作の刺激になってますし、新作派の後輩たちには背中を押されてる」
彦いちは学生時代、極真空手の道場に通っていた。 「一時は大山倍達総裁に弟子入りしたいと思ってました。ところが、道場で化け物みたいな肉体と精神を持つ猛者連中に圧倒され、痛いのが好きじゃないこともわかったので、断念して木久扇に弟子...
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どこででも行けばネタが拾える! 新作落語は客の“あるある”話を引き出すことも
彦いちは、祭りが大好きだ。きっかけになったのは2008年、岩手県内に伝わる蘇民祭だった。 「あれは、下北沢の本多劇場でSWAの定期公演があった1月末のことです。数日後に自分の独演会<しゃべり倒し>が控えていて、何をやるか決まっ...
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出世作を生んだ三遊亭円丈の言葉 「君は君以外になれない」と言われ目が覚めた
1993年、彦いちは二つ目になったものの、とたんに暇になった。 「たいていの若手は二つ目になると暇になるもので、僕はカヌーにハマりました。それがアウトドアの最初です」 彦いちは落語界きってのアウトドア派として知られる。...
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「笑点」新メンバー春風亭一之輔に“新司会就任”密約説…注目は木久扇、好楽、小遊三の進退
日本テレビ系「笑点」の新メンバーになったのが、春風亭一之輔(45)。その背景には、一之輔の“笑点の司会昇進”の密約があったという情報が流れている。 「2月5日の笑点に初出演した一之輔は、『プロデューサーから、半年で司会にしてや...
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春風亭一之輔「笑点」新メンバー抜擢の決め手は? 演芸評論家・吉川潮氏はこう見た
昨年9月に肺がんのため亡くなった6代目三遊亭円楽さん(享年72)の後任となる「笑点」(日本テレビ系)の大喜利新メンバーが5日の放送で発表となった。 新メンバーに選出されたのは春風亭一之輔(45)。一之輔は司会の春風亭昇太(6...
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柳昇師匠は自衛隊慰問でF15に乗せてもらうと「こんどやったら勝てるね」
歌武蔵が敬愛する先輩、柳家喜多八に「もっと会をやらなきゃいけない」と言われ、2人で新たな会を始めるにあたって、もう1人入れて3人会にしようと意見が一致した。 「新作もできるということで、(柳家)喬太郎さんに頼んだら快諾してくれ...
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立川談志は亡くなっても弟子の食い扶持の面倒まで見ている 復帰高座での忘れられない思い出
つい最近、落語の立川流真打ち、立川談慶(57=円内)が本を出版したことが話題になった。名前を見てすぐにわかる通り、11年前に亡くなった立川談志師匠の弟子である。 本のタイトルが「武器としての落語 天才談志が教えてくれた人生の...
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「本当に47都道府県を回る落語会ができないかと…」と無謀なイベントを思いつく
2013年、三三は無謀ともいえるイベントに挑戦した。「三三五五四七~柳家三三Go!Go!四十七都道府県~」という企画である。 「僕の好きなロックバンドの全国ツアーが頭にありまして。全国といっても、当たり前だけど日本全土を回るわ...
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白鳥兄さんから「今のご時世を吹き飛ばす噺を」という宿題を出されて生まれた新作
三遊亭白鳥作「任侠流れの豚次伝」は、全10話の大作である。そのうちの「任侠流山動物園」を「白鳥・三三 両極端の会」で演じ好評を博した。 「その後も白鳥作品を4本やらせてもらいました。2018年でしたか、兄さんが、『そろそろ俺の...
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小三治師匠から言われた「教えられた通りにやればいいというわけじゃない」という言葉
10月7日は昨年亡くなった三三の師匠、小三治の命日であった。どんな師匠だったのだろうか。 「弟子たちに自分からアプローチすることはなかったですね。自分の姿を見て学べ、という考えでした。僕が前座時代に言われたのは、まず『大きな声...
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立川談春の独演会に出演「『おまえのこと、認めたよ』という意味合いの笑いと拍手でした」
2006年3月、三三は真打ちに昇進。入門13年、5人一緒の昇進であった。 「抜擢でもなく、当時としてはスタンダードな昇進でした。ただこの年は、僕にとって転機となるようなことがいくつか起こりました。その一つが談春兄さんの会に出し...
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僕は一之輔さんみたいなパンチ力がない どんな噺でも「そこそこ」を心がけて
「今、イチ押しの落語家は?」と聞かれると、こう答える。「三と一」。その心は、柳家三三と春風亭一之輔である。一之輔はすでに登場願った。今回、満を持して三三に語ってもらう。高座姿、調り口、しぐさ、あらゆる面で流麗だ。現在、都市圏内で最も数...
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円楽師匠急逝で風雲急告げる「笑点」大喜利の後継者選び 落語協会と日テレの思惑に食い違い
日本テレビ上層部が頭を抱えているという。人気番組「笑点」のレギュラーメンバーだった三遊亭円楽さんが肺がんのため72歳の若さで亡くなったことを受け、蜂の巣をつついたような騒ぎになっているのだ。 「アッと言う間だった。ちょっと体調...
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竹千代は大学院で古墳時代を研究「古墳巡りのガイドで小銭稼いでます」
竹千代は二つ目になってから新作落語のネタ下ろしの会を始め、試行錯誤の末、古代史をテーマにした新作をものにした。竹丸にも同じ経験がある。 竹丸「私の二つ目時代を思い出します。昭和の最後の年でした。三遊亭歌之介(現円歌)、春風亭勢...
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「竹のこ」の前座名を付けたのは「竹」が付く可愛らしい名前だから
竹千代が入門を志願したのは11年前。初めて会った時の印象はどうだったか? 竹丸「はっきり言って汚かったです(笑)。着てる物がやぼったくて。それで近所の汚い喫茶店に連れてって話を聞いたら、学生時代にお笑いをやってたと言う。それは...
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笑点の“ドル箱”大喜利の座布団に絡み合う思惑と利権 大名跡「円生」襲名を目論む円楽の下心
日本テレビが人気長寿番組「笑点」のリニューアルプランに頭を悩ませているという。その大きな理由が脳梗塞で入院中だった落語家の三遊亭円楽(72)が今月20日に退院したこと。円楽は今年1月に自宅で体調を崩し緊急入院していた。レギュラーを務...
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「『どうして俺をメンバーに入れないんだ』って。弟子の白鳥さんがいるのに(笑)」
昇太は新作落語と古典の二刀流を使う。新作ではSWA(創作話芸アソシエーション)というグループのリーダーである。メンバーは三遊亭白鳥、柳家喬太郎、林家彦いち。いずれ劣らぬ実力派だ。 「僕が新作をやりたいと思ったのは、もちろん師匠...
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「笑いのコツみたいなものを心得てたので、ご飯を食べるのに苦労しないだろうと…」
昇也は1982年生まれで千葉県野田市出身。春風亭という同じ亭号の一之輔と同郷である。 「血はつながってませんが、遠縁の親戚です」 落語家同士が縁戚関係というのは珍しい。最初から落語家志望だったのか。 「最初は漫才...
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弟子・昇也の真打ち昇進に付き添う春風亭昇太「ひと言で言うと面倒くさい(笑)」
このたび、春風亭昇太の弟子の昇也が真打ちに昇進、5月1日から披露興行が始まった。現在は浅草演芸ホールで開催中だ。そこで、師弟そろって、大いに語ってもらった。まずは師匠から、弟子の真打ち披露について伺おう。 ◇ ◇ ◇ ...
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繁昌亭の厳格なルール「トリは大阪の落語家が落語を演じること」
染雀は桂あやめが座長の、「花詩歌タカラヅカ」というグループに入っている。 「兄弟子の花丸さんが大の宝塚ファンで、同じファンのあやめさん、笑福亭生喬さんと僕の4人で、宝塚歌劇のパロディーみたいなショーをやったのが始めです。初演は...
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「姉様キングス」結成秘話…「何とか元取らなあかんな。一緒に何かしよか」
入門した染雀の師匠、染丸は、落語の稽古をしてくれたのか。 「はい。実に丁寧な稽古でした。3人の弟子それぞれマンツーマンで稽古してくれはります。最後の『上げ』の時は、ビデオ撮影して、映像を見ながらダメ出しをする。『ほら、ここがあ...
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卒業式直後に弟子入り志願 師匠はニヤッと笑って「来ると思うてたわ」
染雀には、芸能と関わりがある血族がいた。まず、父方の祖父母である。 「祖母は京都の花街、宮川町の芸妓でした。祖父は一時、大衆演劇の役者をしていた時期があったそうで、それも女形で」 染雀が桂あやめとのユニット、姉様キング...