介護
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近づく“その時”に焦らず冷静に向き合う…看取る家族ができること
「昨日から内服ができず、オプソも口に含んでも飲み込めない状態です。肩呼吸が始まっているので、アセリオの検討もお願いできたらと思います。浮腫もたまっていて、急に落ちる可能性もあると思いまして」 毎日訪問してくださっている訪問看護...
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(53)慣れ親しんだ電話番号の消滅…どうしようもなく泣けてきた
母が退院し、施設に戻ることになった日、必要な手続きを行うため私はとんぼ返りで熊本の実家へ向かった。無人になって久しい家の郵便受けには、築45年目の外装と防水工事の点検案内のハガキが届いていた。 実家はパネル工法の鉄筋軽量気泡...
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物盗られ妄想の80歳女性「防犯カメラごと盗られたの」
在宅医療を始めたいという相談をされて来られる方には、認知症を抱える患者さんが少なくありません。認知症の症状は進行の度合いだけでなく、患者さんの個性によっても現れ方がさまざまです。 その中でもよく見られるのが「物盗られ妄想」で...
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(52)帰りたい、施設に帰りたい…救急搬送された母は言った
ある冬の夜、施設に入所している母がコロナウイルスに感染し、救急搬送された。東京にいる私が連絡を受けたのは、すでに搬送から数時間が経ってからだった。着信に私はまったく気づいていなかったのだ。 原因は、猫だった。仕事中、私のデス...
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在宅医療でよくある質問に答えます…誰に相談すればいい?
在宅医療を提供する私たちが一貫して大切にしているのは、どのような状況の患者さんでも、柔軟に診察するという姿勢です。 たとえば、ご家族との関係が途絶え、独居されている方、他の病院や施設での受け入れが難しい方、あるいは末期がんで...
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(51)それ私のセーターでしょ? 少し笑っているように見えた
施設に入って1年後、四肢マヒの寝たきりになり嚥下が難しくなってきた母に、ケアマネジャーの提案で言語聴覚士による嚥下訓練を導入した。週に1度、訓練が行われることになった。 効果が出るかどうかはわからなかったが、母のQOL(生活...
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(50)胃ろうを考える時期が来た…老人ホームに入居してから1年
母が民間の有料老人ホームに入居してから1年が経った。入所時の介護度は「要介護2」。レビー小体型認知症の症状のうちのひとつなのだろう、無表情で、言葉を発することもなく、こちらの話が通じているのかもわからなかった。ただ、そのときはまだ、...
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「障害者手帳」嫌がる親を説得してでも申請すべき理由
高齢者の矜持は時として周囲の人々を困らせることがある。要介護・要支援認定の申請を拒否する姿勢などは、その典型かもしれない。筆者の介護経験でも最初に立ちはだかった困りごとがこれだった。何度も制度の説明をし、「介護保険料を天引きされてい...
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(49)悩んだ末に母の車を手放す決断をした…単なる道具ではなかった
母が施設に入って1年後、悩んだ末、残っていた車を手放した。父が亡くなり、母が施設に入ってからも、無人となった実家の駐車場にはずっとその車が残されていた。 帰省するたびにバッテリーが上がっており、エンジンをかけるのに苦労したが...
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定年退職後スキルを活かすなら…高齢者歓迎のシルバー人材センター
地域の人たちの健康を守り、さまざまなイベントを企画している人といえば市区町村の保健師だ。自営業者など国保を対象とした健診とそのフォロー、妊婦さんのケア、子育て支援、精神保健など幅広い層に関わっている。 いずれも難しい仕事だが...
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末期がんの85歳男性「死ぬ思いでお惣菜を買ってきて、お粥をなんとか食べたけど…」
在宅医療は、患者さんのご自宅に上がり込み、時に生活全般にわたってサポートを行う医療です。だからこそ、患者さんやご家族が私たちを信頼し、受け入れてくださって初めて成り立ちます。 医師をはじめとした在宅スタッフは常に患者さんやご...
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最期まで自宅で介護したい…現実との葛藤
在宅医療を始める患者さんの中には、積極的な治療を望まず、自宅で残された時間を自然に過ごし、最期を迎えようとする方がいらっしゃいます。 そのような患者さんを介護するご家族は、不治の病に対する焦りのようなものは落ち着くものの、物...
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(47)父との思い出話も、私の幼い頃の記憶も、もう共有できないのだ
親が亡くなると、手続きの多さに驚く。例えば相続には「3カ月以内に承認か放棄を決める」「10カ月以内に相続税を現金で納める」といった期限がある。 私の場合は幸か不幸か、父が税金の対象になるほどの財産を残しておらず、実際の手続き...
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薬剤師の何げない言葉からわかった患者家族の意外な状況
在宅医療を導入すると、それまで見えなかった患者さんのご家庭が抱えるさまざまな問題が明らかになることがあります。 問題の内容は、患者さんの病状に関することだけにとどまりません。患者さんの性格に起因するトラブル、経済的な問題、ご...
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(46)年金だけではまかなえない。「生きる」のはあと何年──
母の83歳の誕生日、鉢植えのシクラメンを抱えて施設を訪れた。母は「ありがとう」と言ったきり黙って外を眺めていた。何を思っていたのか、何か言いたいことがあったのかわからない。ただ、確かに「ありがとう」は聞こえた。 後日、介護費...
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末期がんで余命わずかの65歳男性…緩和ケア病棟か自宅療養か
「S状結腸がん末期」の65歳の男性患者さんは、「歩行器を使ってでも、最期まで自分の店に立ちたい」という強い思いから、BSC(ベスト・サポーティブ・ケア)を選択し、私たちのクリニックで在宅医療を始めました。BSCとは、がんに対して積極的...
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(45)死への道のりを心地よくする手配しか、私にはできないのだ
実家が荒れ果てていくのとは逆に、母の施設での生活は少しずつ安定しつつあった。ケアマネジャーというプロが介護のスケジュールを組み立て、医療やリハビリはそれぞれの専門家が担い、職員が24時間態勢でケアをしてくれる。要介護度に応じて介護保...
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有料老人ホームに不満! 入居90日以内なら解約特例制度が適用
クーリング・オフとは消費者が一定の取引において契約の申込みや締結をした場合でも、決められた期間内であれば撤回・解除することができる制度のこと。その名の通り「頭を冷やして考える時間」を設け、本当に必要な契約なのか考える猶予が与えられる...
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自宅で懸命にリハビリ…半年で自力通院できるまでに回復
皮膚とその下の組織に細菌が感染して炎症が起こる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と、腰椎圧迫骨折の治療のために入院していた89歳の女性患者さんが、退院をきっかけに私たちのクリニックで在宅医療を始めることになりました。 入院中、蜂...
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(44)家主がいなくなった実家は想像以上の速さで終末へと向かっていった
空き家になってしまった実家。最初のうちは何度も行き来するけれど、次第に間隔が空くだろうと思い、最低限の管理をお願いするため地元の不動産事務所に月1回の「窓開け・通水サービス」を申し込んだ。ところが、下見を終え、契約日も決まっていたに...
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「市民後見人」…時間をかけてでもなることのメリットとは?
「市民後見人」とは市区町村などが実施する養成講座を受講し、成年後見制度に関する一定の知識を身に付け後見活動を行う人のことを指している。これは司法書士や弁護士などの専門職と違い、その地域をよく知る市民が、市区町村などの支援を受けながら...
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デジタル技術の普及で、より臨機応変な診療が実現できる
在宅医療を受けている患者さんは、必ずしもご家族と同居しているとは限りません。 身寄りがなく独り暮らしをしている高齢の方もいれば、近所に住む息子さんや娘さんが週末だけ訪れて一緒に過ごすといったケースもあります。ご家族が毎回往診...
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(43)小さく手を振り見送る母の姿に、涙が止まらなくなった
母が施設に入った頃、不思議と夢をよく見た。普段は目覚めると忘れてしまうのに、いくつも覚えているものがある。 ひとつは、母が父の遺品でごちゃごちゃになった部屋をてきぱきと整理してくれる夢だった。思わず「あれ、お母さん元気じゃん...
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ソーシャルワーカーが病院の「品格」であるのはなぜか
これまでお話ししてきたように「ケアマネジャー」と「ソーシャルワーカー」は、病気やケガによって障害が生じた患者さんや要介護の高齢者の回復、在宅復帰後の生活を支援する役割を担っています。 どちらも福祉・介護分野の専門職で、患者さ...
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歩行の困りごとはシニアカーで解決…自治体によっては補助金あり
高齢になっても自由に外出し、世間と多くの接点を持つことは生きがいづくりの点でも大切だ。たとえ膝や腰に問題を抱えていても、軽度なら杖や歩行補助器を利用することで自宅にこもりがちになることを避けられるだろう。 では、自宅では何と...
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認知症の症状に配慮し、本人も家族も穏やかに過ごせるよう調整を重ねた
「3年間、本当にありがとうございました。先日、母の告別式を無事に終えることができました。おかげさまで最期まで自宅で見送ることができました。心より感謝申し上げます。どうぞ皆さまにもお伝えください」 これは、先日ご逝去された患者...
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(42)実家に戻って初夏の庭先が目に入った瞬間、言葉を失った
母の施設入所に伴い、1カ月ぶりに実家に戻った。初夏の庭先が目に入った瞬間、言葉を失った。庭木は茂り、雑草はのび放題。誰が見ても、人の出入りがない家だとわかるありさまだった。 真冬に父が急死したときは、庭がこれほど荒れるとは想...
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ソーシャルワーカーの“つなぎ役”の役割が重要なのはなぜか
病気やケガにより障害が生じた患者さんや要介護の高齢者の回復、在宅復帰後の生活を支援する役割を担っているのは、ケアマネジャーだけではありません。「ソーシャルワーカー」も同様です。 ソーシャルワーカーは、一般的に社会福祉士や精神...
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(41)「お父さん、死んでしまったよ」入所の日、母にようやく伝えた
熊本に大雨・洪水警報が出されていた日、私は母を病院から迎え出し、入所予定の施設へと送る日を迎えた。 すでに両親の車をどちらも処分していたため、施設長が迎えの車を厚意で出してくれることになった。病院までは車で30分以上かかる。...
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災害時に要介護者が入所できる「福祉避難所」を確認しておきたい
「福祉避難所」は高齢者や障害者、乳幼児、妊産婦など、一般の避難所で集団生活することが難しい「要配慮者」のための避難所だ。 その必要性は誰もが理解し、どの自治体も平時からリストを作っているはずだが、実際の運営はとても難しい。事...
