人工肛門を拒否した末期がん患者が選んだ自分らしい生き方
「自宅で自分らしく生活する」。これが在宅医療のよさの一つです。生活とは、日々の家事をこなすことだけではなく、どのように生きるかということも含まれるのではないでしょうか。
この患者さんは、ご自身と向き合い、人工肛門を造設するメリットとデメリットを理解したうえで、必要ないという選択をされました。
現在も、患者さんは投薬や処置などについて、私たちと相談しながら、ご自身で治療を選択されています。
「低血糖はないですか?」(私)
「昨晩11時ごろ、フラフラしたから測ったら80くらいだった。普通の人だと平気なのかもしれないけど、僕的には具合が悪かったね。それと、カロナールとロキソニンは全然ダメだね」(患者)
「効果がないのであれば、いったんやめてみましょうか」(私)
「そうだね」(患者)
それぞれの治療には、一長一短があります。どちらがよいかという判断は、患者さんが置かれている状況や、ご自身の考え方によって変わってきます。大切なのは、その患者さんにとって最善の処置を選ぶことです。
特に在宅医療では、患者さんに寄り添いながら、納得できる結論を一緒に導き出していきます。さまざまな選択肢の中から、患者さんにとって最善の結論を柔軟に導き出すこと。それこそが、在宅医療の現場で求められる重要なサポートなのです。



















